野球:ク・デソン、通算最多セーブに挑戦
【特集】ベテラン選手、まだまだ健在(3)
「インタビューですか。昨年は成績が悪かったので」
ハンファのク・デソン(41)は電話インタビューに対し、「昨年、好成績を挙げることができなかったため、話す資格はない」と難色を示した。続けて「ベテラン投手として、チームが最下位に終わったことに対して自責の念を禁じえない。成績不振の責任を負って退任した金寅植(キム・インシク)監督に対し申し訳ないと思っている」と話した。
ク・デソンが言うように、過去2年間の成績はひどかった。ケガと手術後の後遺症で、2008年は38試合の出場に終わり、09年は71試合で1セーブ8ホールドポイントに過ぎなかった。球威が回復せず、1軍と2軍を行き来し、7月の防御率は4-5点台で、8月にようやく球威を取り戻した。
ク・デソンは1993年、ハンファの前身のピングレに入団し、韓国球界屈指の左腕としてその名を馳せた。また、チームの意向に従い、先発、中継ぎ、抑えのすべてをこなした。救援専門だが、2000年のシドニー五輪での日本との3位決定戦では先発を務め、156球を投げて完投勝利を収めた。
しかし、これまでの疲労が蓄積してひざを痛め、持病の左ひざの故障に悩まされた。ク・デソンは「07年から08年に間に、左ひざの手術を3度も行った。僕の体でまともな部分は一つもない」と語った。続けて「オリックスに所属していたときは、脱腸の手術もした。腕もケガしたが、手術をしていないため、これまで頑張ることができた」と話した。
一方、引退については「考えたことはあるが、深く悩んだことはない」と答えた。「投げられる限りは投げて、それから考える」と、引退の意向はまだないことを示唆した。「僕は小学校のときから野球を始め、常に “やればできる”という思いでやってきた。それが現在まで投げてこれた原動力となっている」
もちろん、長い年月とともに変わった点もある。今季の目標については、「昔は数字にこだわっていたが、今はチームの意向に従って一生懸命投げたい。シーズンを通じてケガをしないことが大切だ」と語った。今季に向けたハワイでの春季キャンプでは、ひざの筋力強化に努めている。ハンファは、この2年間抑えを務めたトーマスがチームを去ったことから、ク・デソンを抑えの候補として検討している。
今季、ク・デソンが抑えとして出場し、好成績を収めた場合、キム・ヨンスの通算最多セーブ記録(227セーブ)の更新も可能だ。ク・デソンは現在まで、214セーブをマークしている。「球威では後輩らに負けるが、投球の柔軟性や野球を見る目は勝っていると自負している」と話し、早くも心はセーブ記録更新に向かっていた。
■ク・デソンのプロフィール
生年月日=1969年8月2日
受賞経歴=96年レギュラーシーズンMVP、99年韓国シリーズMVP、96年4冠達成(最多勝〈18勝〉、最優秀防御率〈1.88〉、最多セーブ〈40セーブ〉、最高勝率〈8割5分7厘〉)、00年最優秀防御率(2.77)、96年ゴールデングラブ受賞
姜鎬哲(カン・ホチョル)記者
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