野球:孫敏漢「引退前に優勝を経験したい」
【特集】ベテラン選手、まだまだ健在(4)
「引退する前に優勝に貢献しないとね」
ロッテ・ジャイアンツの最年長、孫敏漢(ソン・ミンハン)=35=は、サイパンでの春季キャンプ中、マスコミの取材を一切拒否した。プロ野球選手協会の会長を務めた後、成績が落ちたことに対するファンの批判が負担になっていたからだ。
孫敏漢は最近の電話インタビューで、「昨年の不振は選手協会での活動のためでない。影響がまったくないわけではないが、そのために肩をケガするわけではないから」と語った。続けて「選手代表という任務を引き受け、むしろよい成績を挙げなければならないという強い責任感を感じている。選手協会の会長は僕でなくとも、誰かがしなければならない。成績と関連付けてほしくはない」と話した。
孫敏漢にとって昨年は、最悪のシーズンだった。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では1試合も登板できず、公式戦では14試合に登板し、6勝5敗、防御率5.19に終わった。シーズン終盤には肩の手術を受けた。「今はリハビリに励んでいる。開幕に間に合うよう調整しているが、少し遅れそうだ。あまり欲を出すと、復帰が遅れる可能性もある。復帰したら、先発としての役割を果たしたい」と話した。先発ローテーションを守り、6回を3失点以内に抑えチームの勝利に貢献することが、自身の任務だと語る。
孫敏漢は、球速は遅いが抜群のコントロールで、2005年から08年までの4年間は53勝29敗、防御率2.91という好成績を収めた。球速は最高140キロ中盤だ。失点しない秘訣については、「スピードよりも配球とコントロールに重点を置いている。結局、投手は打者のタイミングをいかに外すかが重要だ。打者がどの球を狙っているのか、予感するときもある」と話した。
孫敏漢は自身のコントロールについて、それほど優れているわけではないという。10球投げて、半分程度しか思い通り決まらないとのことだ。孫敏漢は「あまり打たれまいと思ったり、三振を狙うためにコントロールに気を使いすぎると、逆にコントロールが定まらなくなる。攻める気持ちで投げることが、コントロールをよくする秘訣」と語った。加えて「ピッチングは魂に尽きる。一球一球、魂を込めれば打者に勝てる」と話した。
通算最多勝利数は103勝と、キム・ウォンヒョン(134勝)、キム・スギョン(111勝)に次いで3位だ。これについては、「通算記録に対する意識はない」と語る孫敏漢だが、優勝に対する思いはどの選手よりも強い。「ロッテはもう20年も優勝から遠ざかっている。引退する前に優勝を経験したい」と話した。
高錫泰(コ・ソクテ)記者
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