【社説】今年は設備投資17%増というが
全国経済人連合会(全経連)が金融機関と保険会社を除く売り上げ上位600社を対象に調査したところによると、今年の韓国国内での設備投資規模は103兆1910億ドル(約8兆1900億円)となり、昨年の88兆2475億ウォン(約7億円)に比べ16.9%の伸びが見込まれることが分かった。全経連が今年1月に30大企業グループを対象に実施した同様の調査でも、今年の設備投資は前年比で17.7%伸びるという結果が出た。全経連の統計通りならば、今年は景気回復に対する期待感が高まり、企業が昨年先送りしていた設備投資に積極的に乗り出すことになる。
企業投資が活発化すれば、それにつれて国民所得と雇用も増える。昨年は上位600社の設備投資が前年比で2.4%減少するなど、全般的に企業投資が不振で、7万2000人分の雇用が失われた。企業が今年の設備投資を増やすとの全経連の調査結果は喜ばしいことだ。大企業は国内投資を増やすと言ってはいるが、それが口先だけに終わらず、実際に実行されるかは様子を見る必要がある。大企業は毎年年頭に、今年はどれだけ国内に投資する計画だと発表するが、年末になって実際にどれだけ投資したのかを発表したことはほとんどない。
大企業は景気が悪い時には主に国内投資を減らし、景気回復の兆しが見られると、今度は海外投資を中心に増やしてきた。昨年10-12月期の大企業の海外直接投資は81億3300万ドル(約7350億円)で、前年同期に比べ145%も増えた。2004年から08年までの5年間で、自動車業界の海外直接投資は年平均48%増えたが、国内投資はわずか4%の増加にとどまった。全経連の発表通りに今年の設備投資が2けたの伸びを示すとしても、それは一時的現象にとどまる可能性がある。国内でニート、中高年の失業といった問題が解決できないのは、企業が国内投資より海外投資に力を入れているためだ。
資源開発や海外市場の確保などに向け、企業の海外投資にはさらに増やさなけばならない部分もある。しかし、それより国内の規制が厳しいことや労使関係など外的な経営要因から投資が海外に流れている側面が大きい。起業しやすい環境をつくれば、いくらでも投資先を国内に引き戻すことができる。まず政府は企業が海外に出ていく理由が何かを見極め、国内投資を増やす方案を探らなければならない。企業も口先だけで雇用創出を叫ぶのではなく、国内投資と海外投資の実績を毎年正確に明らかにすることが、長期的には現状打開に役立つ。企業の海外投資実績は、地価をはじめとする韓国の経営環境がどれだけ劣悪で、労使関係がどれだけ不安かを示すことにつながり、起業しやすい国を目指す土台にもなるからだ。
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