北朝鮮、李明博政権発足後に携帯電話の統制強化

保衛司令部の内部文書を確認

 北朝鮮が、李明博(イ・ミョンバク)政権発足直後の2008年3月、脱北者や韓国軍捕虜・拉致被害者、携帯電話の統制を強化せよ、という指示を下していた事実が、北朝鮮軍保衛司令部の内部文書により確認された。保衛司令部(軍内部の保安を担当し、韓国軍の機務司令部に相当)は、金正日(キム・ジョンイル)体制維持の中心機関だ。

 拉致被害者家族会の崔成竜(チェ・ソンヨン)代表は、「共和国の安全を徹底して守護しなければならない」と題する保衛司令部の内部文書を入手した。この文書によると、北朝鮮当局は、「今から朝中国境線地域で勤務する保衛関係者は、社会的身分や地位が高い人物やわが国(北朝鮮)の公民が集団的に中国へ逃亡することを制止・摘発する事業に重点的に取り組まなければならない」と指示した。

 また、韓国軍捕虜・拉致被害者問題については、「わが共和国と南朝鮮当局の争点となっている戦争捕虜(韓国軍捕虜)や南朝鮮からわが国に渡ってきた人員(拉致被害者)に対する監視・監督・統制事業をぬかりなく行い、予想外の事故を未然に防止しなければならない」と述べた。

 崔代表は8日、この文書と共に、本紙が08年に報じた拉致漁民31人の北朝鮮での団体写真などを、北朝鮮による人権侵害の証拠として国連人権理事会に送る予定だ。

 また、昨年9月に離散家族再会事業が行われた際、北朝鮮が「連絡途絶」と通報してきた拉致漁民ホ・ジョンスさん(57)について、「家族全員が江原道へ追放された」と記した北朝鮮内部の情報員の手紙も同封することとした。

写真提供=拉致被害者家族会の崔成竜(チェ・ソンヨン)代表

アン・ヨンヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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