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県内2例目、裁判員裁判始まる

2010年02月15日 23:27
 県内2例目となる裁判員裁判は15日、午前中に行われた裁判員6人と補充裁判員2人を選ぶ選任手続きに続いて午後1時半に開廷した。強盗致傷の罪に問われた酒田市日の出町1丁目、無職渡会広悦被告(31)は罪状認否で「間違いない」と答え、起訴内容を全面的に認めた。男性4人、女性2人の裁判員は検察側、弁護側の主張に聞き入っていた。

 起訴状によると、渡会被告は同市大宮4丁目、無職菅原光康被告(32)と鶴岡市倉沢、会社員伊藤信康被告(27)と共謀し、昨年8月29日未明、酒田市の路上で女性=当時(23)=を殴ってけがをさせた上、バッグを奪ったとしている。また渡会被告は菅原被告と共謀し、同月30日未明、三川町のモーテルで派遣型風俗店の女性従業員=当時(24)=に、金品を奪う目的で暴行し、けがをさせたとしている。

 冒頭陳述で検察側は、菅原被告との関係について「10年来の友達」とし、表向きは対等の友人として接していながらも、「内心は菅原被告のことを都合よく利用できる相手と考えていた」と指摘。渡会被告はパチスロなどで所持金を使い果たし、アパートの家賃が用意できずにいたため、手っ取り早く現金を得る目的で強盗を考え、菅原被告を誘った。菅原被告も金に困っていたため、渡会被告の申し出を受けたという

 渡会被告はその際、自分の手を汚さずに犯行に及ぶことを計画。実際に被害者から金品を奪う実行犯役を菅原被告にやらせようとし、別の場所にいた菅原被告に対し、携帯電話の音声を通して、先に渡会被告が路上強盗をしているかのように装って犯行をあおったり、モーテル内では犯行直前になって現場から立ち去ったとした。

 一方、弁護側は渡会被告は被害者に対し、直接、暴行していないし、具体的な暴行内容も菅原被告に指示していないなどと主張。「自分の罪を素直に認め反省している。被害者との示談も成立している」と情状面を訴えた。

 第2日の16日は証人尋問と被告人質問をした後、検察側が論告求刑、弁護側が最終弁論をして結審する予定。
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