入院治療中に容疑者逃亡、22日後に逮捕(下)

 監視の警察官は当時、3人中1人が容疑者に水を与えようとその場を離れていたほか、2人は別の方向を向いていたため、容疑者が逃亡するのに気付かなかった。警察によると、容疑者は昨年9月に肺がんの第3ステージで手術を受けていたという。

 容疑者は逃走後、公共交通機関で全国を逃走していたことがその後の調べで明らかになった。容疑者は病院から逃走後、付近に住む親類宅でタクシー代を借り、水原市南水洞の自宅まで行き、現金と衣服を持ち出した。その上で、警察の追跡を避けながら、タクシーで京畿道平沢市まで行き、バスで忠清南道天安市まで移動。さらに、その日のうちに全羅南道南原市に向かった。

 容疑者は南原市の民宿に10日前後滞在していたが、警察の指名手配など追跡が迫るのを察知し、先月末には密航を図るために釜山市に移動したという。容疑者は釜山市に1週間ほど滞在したが、密航が容易ではなかったため、6日にバスでソウル市に舞い戻った。捜査関係者は「容疑者の足取りについては、まだ正確な事実関係が確認されていない」と話した。

 警察は再逮捕した容疑者が天安市で盗まれた身分証と現金・商品券1100万ウォン(約87万円)相当を所持していたため、天安市で追加的な犯行に及んだとみて調べている。容疑者は「現金と商品券は自宅にあったものだ」として、容疑を否認しているという。

水原=李碩浩(イ・ソクホ)記者

金時現(キム・シヒョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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