貸し切りバスで会社社長を拉致・殺害(上)

 警察の追跡を避けるため、45人乗りのバスを貸し切って移動し、車内で殺人を犯すという新たな犯罪の手口が登場した。

 京畿道安山市常緑警察署は7日、会社社長を拉致した後、数億ウォン(数千万円)を奪って殺害したとして、同社長の会社に勤務していた主犯のキム容疑者(42)とキム容疑者の兄(52)、それに共犯の3人を逮捕し、逃走中のホ容疑者(43)を指名手配したと発表した。

検問を避けるために貸し切りバスを使用

 警察の調べによると、キム容疑者の指示を受けた共犯のキム容疑者(38)とホ容疑者は先月11日午前9時ごろ、京畿道安山市のある中小企業ビルの駐車場で、同社のイ社長(46)を拉致して車内に監禁し、現金3億ウォン(約2400万円)を要求した。

 キム容疑者らは午後1時ごろ、京畿道始興市の物旺貯水池付近で仲間と合流し、共犯のイ容疑者が用意した45人乗りの貸し切りバスに乗り換えた。バスを移動手段として利用したのは、乗用車とは違い、バスは検問されにくいため、警察の追跡を避けやすいということに加え、被害者を含め7人が同時に移動しなければならなかったためだ。警察関係者は「貸し切りバスは、車窓のサンシェードが濃いため車内の様子が見えにくく、車内スペースが広いため犯行が容易だと判断したようだ。乗用車は監視カメラを使った警察の追跡を避けるのが難しいため、バスを利用したようだ」と説明した。

 また同容疑者らは、拉致したイ社長に「事業が一つあるのだが、成功したら大きな利益を得られるため、3億ウォンを用意しろ」と電話をかけさせ、資金担当のおいに金を用意させた。午後4時ごろ、キム容疑者の兄が安山市古棧洞でイ社長のおいと会い、現金3億ウォン受け取った。同容疑者らは現金を受け取る際に、イ社長に直接電話させることで、拉致したことを気づかれないようにした。

 同容疑者らは午後10時ごろ、安山市大阜に移動し、車内でイ社長の首を包帯で絞め殺害した。その後、用意しておいた8キロの鉄アレー2個をイ社長の首と足に結びつけ、夜12時ごろ死体を平沢湖に投げ捨てた。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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