釜山少女失踪:「電子足輪さえあれば…」(上)

行方不明から10日、遺体発見

 中学校への入学を目前に控え、胸をときめかせていた、釜山市沙上区徳浦1洞のイ・ユリさん(13)が、行方不明になってから10日後、変わり果てた姿となって発見された。

 警察は6日夜9時ごろ、ユリさんの自宅から50メートルほど離れた水タンクの中で、ユリさんの全裸遺体を発見した。性的暴行を加えられ、包装用の赤いひもで手足を縛られた状態だった。

 警察は、ユリさんが行方不明になった先月24日以降、安全確保のため極秘で捜査を行っていたが、4日後に公開捜査に切り替え、今月2日にはキム・ギルテ容疑者(33)を公開手配した。ユリさんの携帯電話や眼鏡が自宅に残されたままで、また自宅の床からキム容疑者のものとみられる足跡が発見されたためだ。警察はこの10日間、延べ2万人以上の捜査員を動員し、ヘリコプターも投入するなど、大掛かりな捜索を行ったが、3日夜にはユリさん宅の近くの空き家で寝泊まりしていたキム容疑者を取り逃がす失態を演じた。

 キム容疑者は1997年、性的暴行未遂罪で懲役3年の判決を受け服役した後、2001年には30代の女性を10日間監禁し、性的暴行を加えたとして再び8年間服役、昨年6月に出所した常習的な性犯罪者だった。今年1月にも20代の女性に性的暴行を加え監禁したとして、指名手配されていた。このため、常習的な性犯罪者に対する管理がずさんだったのではないか、との指摘が出ている。これについて警察は、「キム容疑者は、児童を対象とした性犯罪者に対する電子足輪の装着が義務付けられた08年9月以前に収監され、満期で出所したため、電子足輪の装着の対象者ではなかった」と釈明した。

 警察庁によると、強姦(ごうかん)事件は07年に8716件、08年は9887件と、毎年増加する傾向を見せており、また性的暴行犯の3人に二人は再犯者という調査報告もある。電子足輪装着の対象者は毎年5500-6500人に上っているが、その多くが野放しにされた状態だと推定される。

今月7日、カン・ヒラク警察庁長官(中央)と、釜山地方警察庁の李康徳(イ・カンドク)長官(左)が、事件現場となった釜山市沙上区徳浦1洞を訪れ、イ・ユリさん(13)の遺体が発見された水タンクの前で説明を受けた。ユリさんは、行方不明になってから10日後の6日夜、水タンクの中から遺体となって発見された。/写真=キム・ヨンウ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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