釜山少女失踪:「電子足輪さえあれば…」(中)

行方不明から10日、遺体発見

友人からのメッセージだけが残された部屋

 ユリさんが行方不明になったのは、先月24日の夜7時ごろ。自宅で母親からの電話に出て、「ご飯はもう食べた」と話した直後のことだった。外出先から電話で娘と最後に話した母親のHさん(38)は、「中学校に入学するのを心待ちにしていたのに…一緒にスーパーへ行って、ノートを買う約束をしていたのに…」と話し絶句した。当時、学習塾に行っていた兄(15)は、たった一人の妹を守れなかったという自責の念と恐怖心に駆られ、夜も眠れない状態が続いているという。また、母親とは別居中だが、先月20日に小学校の卒業式に出席した父親は、生活が苦しいにもかかわらず、善行賞を受賞した娘を誇りに思っていたという。ユリさんの部屋には、小学校時代の友人たちから寄せられたメッセージが綴られた、たくさんのサイン帳が残されていた。そこには、「中学生になっても、明るい笑顔を忘れないで」「これからも一生懸命勉強頑張って」「(歌手)2PMのメンバーや歌が好き」などのメッセージが記されていた。

隣の空き家から塀を乗り越え遺体を遺棄か

 ユリさんの遺体が発見された水タンクは、Kさん(67)宅の裏に放置されていたものだった。高さ1メートル25センチ、周囲2メートル75センチ、幅88センチの青いFRP(繊維強化プラスチック)製のタンクで、長い間使われておらず、中に水は入っていなかった。ユリさんの遺体は布団やマットなどを入れるのに使う黒い布製のかばんに詰められ、タンクの中に押し込まれていた。また、ユリさんの衣服や運動靴が入った黒いビニール袋も、タンクの中から見つかった。かばんの上には、犯行を隠すためか、石灰がまかれており、さらにその上にはレンガや床材用のタイルも置かれていた。

 警察は、「水タンクがあるKさん宅と塀を挟んで隣接している空き家から、犯人がここへやって来て遺体を遺棄したものと推定される」と話した。この空き家からは石灰の入った容器が発見され、また所有者が鍵をかけていたという門はこじ開けられていた。この空き家とKさん宅を隔てる塀の高さは50センチに満たない。警察はKさん宅を訪れていたが、人が住んでいる家だったため、詳しく調べることはしなかった。また、Kさんも、自宅の水タンクに遺体が遺棄されていることなど想像すらしなかったという。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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