釜山少女失踪:「電子足輪さえあれば…」(下)

行方不明から10日、遺体発見

性的暴行を加えた後に絞殺

 警察は7日、水タンクを取り外して釜山大附属病院(慶尚南道梁山市)へ運び、遺体の解剖やさまざまな調査を行った。釜山地方警察庁のチョン・ソクモ広報係長は、「解剖の結果、性的暴行を加えられた後に、鼻や口を手で塞がれ、首を絞められ殺害されたことが確認された」と説明した。警察は現在、水タンクの中のビニール袋に付着した指紋や、ユリさんの遺体から見つかった体毛、唾液などを採取し、詳しい鑑識作業を進めている。

 警察は、キム容疑者が運転免許を持っておらず、所得もないことから、遠くへ逃げた可能性は低いとみている。なお、周辺地域では、「横断歩道の前でキム容疑者が、“寺から逃げてきた。お金を貸してくれ”と住民に声をかけていた」という証言も出ているという。

犯罪に弱い再開発予定地

 ユリさんが住んでいた徳浦1洞一帯は、再開発事業の予定地となっており、約460世帯のうち約180世帯がすでに転居している。迷路のような狭い路地があちこちに伸びているため、犯罪が起こりやすい地域だ。

 この地域の人々は最近、路地の曲がり角で他人と出くわしただけでも、「うわぁ」「びっくりした」といった言葉を連発している。夜には人通りも途絶える。ユリさんの遺体が発見された家の隣にある低層集合住宅の住民(43)は、「まるで自分の娘のように思えて、とても胸が痛む」と話した。また、近所に住むSさん(70)は、「貧しくて生活が苦しかったが、懸命に生きていた。家族を襲った不幸が、まるで自分のことのように思える。第2、第3の被害者が出ないようにしてほしい」と語った。

 カン・ヒラク警察庁長官は7日、捜査本部が設置された釜山沙上警察署の関係とともに遺体発見現場を訪れ、「違法行為と暴力を徹底的に取り締まり、社会的弱者や低所得層をいかなる犯罪から守る警察にならなければならない」と強調した。

釜山=権慶勲(クォン・ギョンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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