韓国証券市場の誤った横領背任公示
証券市場で横領、背任公示は、株価下落の主な悪材料の一つです。筆頭株主や前職・現職の社長、社員らが犯した横領、背任事件が多数発生しています。M&A(合併・買収)過程で資金を流用したり、内部事情に詳しいことから「いたずら」をしたりするケースが多いということです。これら企業の公示を詳しく分析すると、共通点があることが分かります。株価下落を防ぎ、疑惑を解消しなければならないため、弁解のように聞こえる公示が多いということです。
コスダック上場のA社は先日、前社長を横領・背任容疑で警察に告訴したと公示しました。経営権の引き継ぎ過程での横領・背任疑惑を解消し、流出した資産を取り戻すために告訴したそうです。しかし、推測の域を出ないとのことです。告訴しただけで、損害額やそのほかの関連事案についてはそのほとんどが推測です。資産の取り戻しを通じて、資産と利益増加の効果を期待させることで投資者を安心させるのが狙いです。
コスダック上場のB社も同様です。最近、コスダック市場本部から現代表の横領・背任容疑に対する照会公示の回答要請を受けた同社は、1時間後に社長交代の公示をしました。同社はその翌日、「前社長がソウル地検に拘束されている」と公示しました。現社長の容疑が前社長の容疑に変わったのです。投資者らの目をごまかすための公示としかいえません。同社は現在、株式取引が中止されている状態です。上場廃止の実質審査対象となったからです。
今年に入って横領・背任公示を行った企業は10社です。このうち3社は取引が中止されました。投資者らは不安を抱き、困惑しています。企業側からしてみると、「思い出したくない過去」だとしても、現在の経営状況を公開し投資者に安心を与えるのが、先進資本市場を作るための第一歩ではないでしょうか。横領・背任といった重大事件を過去の経営陣のせいにする行為は、海外投資家に対する韓国証券市場の信頼性を低下させる誤った慣行です。
イ・ジェソル記者
- 次期韓銀総裁、有力候補に4人取りざた 2010/03/13 13:56:26
- 双竜自に再建支援、ハイニックスは国内売却へ 2010/03/13 11:01:31
- 政策金利据え置きで市中金利低下 2010/03/13 11:00:35
- 金融業界、幹部昇進に禁煙義務付け 2010/03/13 10:29:19
- 有名ブランドが低価格ブランドに頭を下げる理由 2010/03/13 10:25:21
- 世界最大規模の炭素材工場稼動 /亀尾 2010/03/13 08:39:32
- LGディスプレー、第8世代液晶パネルのライン増設 2010/03/13 08:38:54
- パンテック創業者にストックオプション、経営権奪還に道 2010/03/13 08:31:44
- 現代重工業、閔季植副会長が会長昇進 2010/03/13 08:31:13
- ソウル外為、100円=1244.95ウォン 2010/03/12 23:13:56