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体調不良のスカイマークCA、社長一声「交代ならぬ」(1/2ページ)

2010年3月9日21時20分

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 スカイマークの機長が、体調不良で声が十分に出ない客室乗務員(CA)を交代させようとしたところ、西久保慎一社長と井手隆司会長が認めず、逆に機長を交代させて運航を強行していたことがわかった。

 航空法は機長に乗員への指揮権を与えており、個々の運航では機長の判断が最優先される。同社の運航規定でも、安全に対する最終決定権は機長にあると定められている。また、CAは保安要員で、非常時に大声で乗客を避難誘導する役割がある。

 機長の判断を経営者が覆したことについて、国土交通省は「前代未聞。安全にとってゆゆしき事態」として文書で厳重注意した。

 同省によると、問題が起きたのは2月5日の羽田―福岡便。チーフ格のCAは風邪の治りかけで大きな声が出せない状態だった。出発前に気づいた外国人機長が「避難誘導などに支障をきたす」と交代を指示した。

 ところが、事態を聞きつけた西久保社長は「健康上、問題はない」として認めず、安全統括管理者の井手会長も「会社の命令」として交代なしに運航するよう指示したという。機長は「安全が確保できない以上飛べない」と拒否したため、社長らは機長を交代。別の機長がCAの交代なしの運航を受け入れ、約1時間遅れで出発させたという。

 この問題で機長と社長らが口論になったといい、機長は、この際に社長らが「手をあげた」などとして警視庁東京空港署に被害届を提出。同署が経緯を調べているという。同社は機長との雇用契約を即日解除した。

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