佐渡トキ保護センター(新潟県佐渡市)でトキ9羽がテンに襲われ死んだ問題で、環境省とセンターは12日、トキが訓練していた野生復帰ステーション順化ケージの現地調査を終えた。ケージの側面や天井の金網の目が本来より大きくなっていたり、鉄骨の梁部分に人間の手が入るほどのすき間があったりする個所が計203見つかった。
人や動物が広げた痕跡はなかった。同省はテンの侵入経路になった可能性があるとみて、今後網の目が広がった原因の分析などを行い、必要があれば追加で現地調査するとしている。詳細な調査結果は16日に佐渡市で開かれるトキ飼育繁殖専門家会合で報告する。
環境省からは既に渡辺綱男審議官が現地入りしており、小沢鋭仁環境相も14日に合流する予定。
環境省はケージ内にわなを仕掛け、トキを襲ったテンの捕獲作業を進めているが、テンはまだ発見されていない。繁殖ケージなどステーションのほかのケージにも侵入する恐れがあり、同省職員は管理棟に泊まり込み、24時間態勢で監視を始めた。
また、環境省は12日、佐渡市で放鳥されたトキの雄が雌の背中に乗る「擬交尾」と呼ばれる求愛行動を10日から12日の3日間、確認したと発表した。