「このままだと日本は鯨どころか魚も捕れなくなる」
2010年03月13日10時00分 / 提供:ゲンダイネット
「世界クジラ戦争」小松正之氏(PHP研究所 1700円)
捕鯨文化を大切に培ってきた日本。古くは縄文時代から鯨を食べていたという。ところが今は制限された調査捕鯨にとどまり、世界の反捕鯨国から目の敵にされている。いわば国際的な集団イジメに遭っているような状況だ。この窮地で立ち上がった男がいる。当時、水産庁の交渉官僚だった著者である。
「言いがかりをつけられ、意地悪をされている、それが捕鯨国である日本の姿でした。私の強気な姿勢は目立ったようで、ケンカしているように見えたのでしょう。でも、ケンカじゃない。科学的な根拠をもって正当性を説明しただけ。反捕鯨国も信念があるから、言いがかりをやめない。時間をかけて、正してほぐすことを続けてきたんです」
捕鯨問題の経緯はこうだ。1982年にIWC(国際捕鯨委員会)で商業捕鯨のモラトリアム(一時停止)が可決され、86年から大型の鯨を対象とする商業捕鯨は全面禁止になった。これは捕鯨産業で採算が取れなくなった国が、動物愛護や環境保護などの思想にかこつけて、反捕鯨運動を展開したからだ。
結果、遠洋では調査捕鯨という形でしか捕獲していない。さらに南氷洋の鯨類保護区まで設定され、日本の商業捕鯨再開には暗雲が立ち込めているのが現状である。
「私が言いたいのは、反捕鯨国と対立するのではなく、お互いに協力しあえば、人類共有の資源を有効に利用できる点なんです。日本の捕鯨船技術は世界一優れているのだから、鯨やオキアミの調査を通じて、情報を発信できる。日本が率先して資源利用の法則や科学的な知見を提供すればいい。日本のため、世界のために愛情をもって交渉してきたんだけどね」
ところが2005年、突然人事異動を言い渡された。堂々と国際交渉に臨み、捕鯨問題に心血を注いできた著者には外圧だけでなく内圧もあった。
「水産庁を辞めるとき、国際交渉のノウハウやリーダーシップの神髄は教えたつもりだけど、後任者が実行するかどうか。このままだと日本は鯨どころか魚も捕れなくなりますよ。私は外部の人間になったが、捕鯨問題は今でも戦っています。だから、こうして真実を伝える本を出すんです」
捕鯨問題、ひいては漁業問題と今もなお格闘している著者の心意気を感じる一冊。
(日刊ゲンダイ2010年3月10日掲載)
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