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原爆症認定、海外から申請可能に 政府が閣議決定

2010年3月13日0時33分

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 海外に住む広島、長崎での被爆者(在外被爆者)が来日しなくても原爆症認定の申請ができるようになった。政府は12日、被爆者援護法の政令の改正案を閣議決定した。4月以降は居住地の大使館など在外公館で認定申請できる。

 在外被爆者は2009年3月現在で韓国、米国、ブラジルなどに約4300人いる。従来、原爆症認定の申請には来日する必要があったが、がんや白血病などを患う在外被爆者が渡航するのは負担が大きく、断念するケースが続出していた。

 被爆者健康手帳については08年に被爆者援護法が改正され、海外での申請が可能になった。この際、原爆症認定申請の際に来日の必要があることについては、付則で「必要な措置を講じる」とされるにとどまっていた。認定されれば、医療特別手当(月額約13万7千円)が支給される。

 また厚生労働省は、原爆投下直後に放射性物質を含む「黒い雨」が降った地域にいた人に発行される「健康診断受診者証」についても、4月から在外公館で受け付ける方針を固めた。これで在外被爆者の来日要件はすべて撤廃されることになる。健康診断受診者証は国内で約730人に交付されているが、海外の対象者数は不明。

 各国の被爆者団体とともに国に来日要件の撤廃を要請していた「韓国の原爆被爆者を救援する市民の会」の豊永恵三郎広島支部長(73)は「喜ばしいことだが、国が課した過酷な来日要件のために、多くの被爆者が原爆症認定を申請すらできないまま亡くなった。国の対応は遅きに失した」と話した。

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