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【愛知】

ヘビメタバンド「OUTRAGE」に文化賞 「行政が認めてくれた」

2010年3月13日

「OUTRAGE」のパワフルなステージ(提供写真)

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 長年、名古屋を拠点に活動してきた老舗ヘビーメタルバンド「OUTRAGE(アウトレイジ)」が2009年度県芸術文化選奨の文化賞を受賞した。県によるとロック音楽の受賞は初めて。メンバーは「行政がヘビメタを文化として認めてくれたのはうれしい。今後の励みになる」などと喜びを語った。

 「OUTRAGE」は1983年、当時、名古屋市内の高校に通っていたリーダーで、ドラムの丹下眞也さん(43)=同市中区=ら4人で結成。88年にメジャーデビューし、これまでに10枚のアルバムを発表した。オリジナル曲の歌詞はすべて英語。日本人離れした重厚なサウンドは国内外で評価が高く、米国や台湾、韓国など海外での公演も多い。昨年、国内最大の国際ロックフェス「LOUDPARK09」にも出演した。

 一時、メンバーの脱退はあったが、今はデビュー当時と同じ顔ぶれ。当初は、音楽事務所や音楽仲間から「東京に拠点を移した方がいい」と勧められたが、「名古屋発の音楽を目指したい」と地元での活動にこだわった。

丹下眞也さん

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 しかし、東京、大阪に比べてヘビメタのファン層が少なく、プロと言ってもメンバーらは、音楽教室の講師やトラックの運転手などを続けながらの生活。それだけに「地道な努力が報われた」と丹下さんは目を細める。

 県の芸術文化選奨文化賞は芸術文化の振興を目的に77年度に創設。書道や絵画、舞踊、音楽などの分野で優れた業績のあった県内在住の団体や個人を表彰している。07年度から県民からの推薦を元に専門の委員が選ぶ選考方法に変更し、09年度は48件の推薦から「OUTRAGE」ら5団体・個人が文化賞に選ばれた。

 県文化芸術課の担当者は「音楽性が高く評価され、地域の文化活動への貢献も認められた」と説明。「選考方法の変更で幅広いジャンルの推薦が集まった。漫画や映画などの受賞者も出てきてほしい」と話す。受賞者らは15日、神田真秋知事から表彰を受ける予定。

 (寺本政司)

 

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