後期高齢者医療制度をめぐる汚職事件で、贈賄罪で起訴された福岡県添田町長の山本文男被告(84)は11日、同町議会の全員協議会に出席、議会で可決された辞職勧告決議について「重く受け止めるが、それに支配されることはない」と述べ、辞職する考えがないことをあらためて強調した。全員協議会は非公開。終了後に取材に応じた町議が明らかにした。
その後、山本被告は3月議会初日に出席。町議から「刑事被告人となった添田町長の言葉を(子どもが)どう受け止めるか心配している。学校行事(への出席)については賢明な判断をしていただきたい」とたしなめられる場面もあった。
添田町議会は4日、議員の過半数の賛成で辞職勧告決議を可決したが、法的拘束力はない。山本被告は1日の全員協議会で「町には何一つ迷惑を掛けてない」と辞職を否定していた。
起訴状などによると、山本被告は、後期高齢者医療制度を運営する県広域連合設立に際し、町村側に有利な取り計らいを受けた謝礼として、元福岡県副知事中島孝之被告(68)=収賄罪で起訴=に100万円を渡したとされる。