同時に踏んでもブレーキ優先 トヨタ導入決定に各社追随
2010/03/11 17:47更新
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■トヨタ急加速問題で消費者の不安解消
アクセルペダルとブレーキを同時に踏んだ際、ブレーキを優先するシステム「ブレーキ・オーバーライド・システム」について、国内の自動車大手7社が導入を検討している。米国でトヨタ自動車製の車の急加速問題や、欧州市場で同システムの普及が進んでいることもあり、日本メーカーも安全対策を強化する。
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トヨタ車をめぐる米国の一連のリコール(回収・無償修理)問題は、アクセルペダルにフロアマットが引っかかり戻らなくなることや、結露などでペダルの戻りが悪くなったことが原因だった。さらにトヨタ車が「予期せぬ加速」して暴走する事例が米議会などで指摘された。「同システムを導入していれば、事故を防げた」(関係者)というのだ。
トヨタは2月中旬、世界で販売するすべての車種で順次投入することを発表。佐々木真一副社長は「われわれの調査能力で、予期せぬ加速をすべて説明できないから」と導入を決めた理由を説明し、顧客の不安解消に全力を挙げる姿勢を示した。
■マツダは今後の新型車すべてに
国内メーカーでは、マツダが今後販売する新型車にすべて投入するほか、すでに販売した車両にも対応できるか検討している。ホンダ、スズキ、三菱自動車、ダイハツ工業、富士重工業も導入する方向で検討している。
一方、トラックなど商用車メーカーでは、いすゞ自動車が「将来的に検討する」と前向きだ。日野自動車と三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスは「現時点では導入の予定はない」としている。
■日産はすでに導入
同システムは、独フォルクスワーゲンや米クライスラーなど欧米の有力メーカーが採用。国内メーカーでは、日産自動車がすでに採用している。日本メーカーは「アクセルとブレーキを同時に踏むことは通常ない」などとして、日産以外は導入していなかった。実際、「同システムを必要とするような暴走事故は起きていない」(マツダ)、「設計上、アクセルとブレーキを踏み違えないような構造にしている」(ホンダ)など、同システムがないことは、直接、車の安全への不安とはならない。ただ、「将来に向けた安全性拡充の一環」(マツダ)、「欧州市場では標準装備されているケースが多く、導入を検討していた」(スズキ)など、ほとんどのメーカーがシステム導入に意欲的だ。
■コスト増による販売影響を懸念
システム導入の課題となりそうなのが、一定のコスト増につながることだ。電子制御システムのプログラムの変更で済むケースから、新システムを導入するケースまで各社の事情は異なる。新型車だけでなくすでに販売した車にも対応するなど大規模な取り組みになれば、政府のエコカー購入支援策で上向き始めた各社の業績に影響を与える可能性もある。(鈴木正行)
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