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「民公接近」に与党から不満続々 小沢氏はだんまり
公明党とその支持母体である創価学会が民主党に急接近していることを受け、与党内で不満や異論が渦巻いている。民主党執行部は重要法案の成立には公明党の協力は欠かせないとみているようだが、民公の距離の取り方は、夏の参院選だけでなく政界再編にも絡んでくるだけに、連立与党の絆(きずな)に暗い影を落としている。
「法案修正ならばよいが、民主党と公明党が急接近しているという報じられ方をされないように気をつけるべきだ」
11日の民主党役員会で、石井一選対委員長は、子ども手当法案などで公明党との修正協議に応じたことを受け、厳しい口調で国対幹部を指弾した。
さらに石井氏は「支持者から『これまで批判してきた公明党や創価学会と接近するのはどういうわけか』と電話やメールがたくさん来ている」とまくし立てた。2月26日の小沢一郎幹事長と創価学会幹部との秘密会談が念頭にあったことは明らかだが、小沢氏はムッとした表情で黙ったままだったという。
民主党は3年前の参院選や昨年の衆院選で創価学会と反目する宗教団体の選挙協力を取り付けた経緯がある。夏の参院選の比例代表でも宗教団体からの支援を見込んでおり、党内では「何の説明もなく公明党・創価学会と接近すれば宗教票が減る」(幹部)との懸念の声が上がる。
石井氏は11日付の自身のブログで「昨年の総選挙まで『仏敵』と言われてきたのに参院選で負けたら公明党と連立するつもりなのか」などの批判が寄せられていることを紹介。「無原則な政治、ご都合主義と見られ、国民の信頼を損なうことになってはいけない」と強調した。
公明党の井上義久幹事長は「国民のために是々非々に対応するのが基本だ。すり寄りではない」と説明するが、社民、国民新党の不信感は強まるばかり。両党は12日の定期協議で、子ども手当創設法案などで民主党が与党調整よりも公明党との修正協議を先行させたことについて、民主党に抗議することを決めた。社民党の重野安正幹事長は「連立政権外と協議するなら、連立政権内で事前に協議をすべきだ」と強い不快感を表明しており、この問題は週明けにも尾を引く公算が大きい。