米国務省は11日、世界194カ国の人権改善への取り組みをまとめた2009年版の人権報告書を発表した。最大の焦点となった中国に関しては「政府が言論の自由を制限している」と明記。インターネット検索大手グーグルへの検閲問題などを念頭に、情報統制を強く非難した。日本については鳩山由紀夫首相と小沢一郎民主党幹事長の政治とカネを巡る事件に触れた。
報告書は中国について「ネットの監視や情報規制を強めている」と批判。新疆ウイグル、チベット両自治区の民族問題に関しても言及し、特に新疆ウイグルについて「(当局が)文化的、宗教的抑圧を強めている」と懸念を示した。基本的人権の改善を目指し、中国が09年9月に策定した国家人権行動計画に関しても「なお実行に移していない」と指摘した。
インターネットを巡っては、イラン政府による情報統制やサイト利用妨害も非難。このほか、北朝鮮やロシア、ミャンマー、キューバの人権状況を問題視した。(ワシントン=弟子丸幸子)(13:41)