・余計に心配しても、どうすることもできないのですが、
　「ものいわぬもの」が病気になると、
　どうしても落ち着きをなくしてしまいます。
　幼犬のときに、重大な病気になったことがあって、
　またそれかもしれない、ということも考えましたが、
　どうやらもっと簡単な「お腹こわし」だったようです。

　ブイヨンって、つき合ってきた時間としては、
　たいていの人間よりも長かったりするので、
　なんというか、いわば、とても親しいわけです。
　なにを語り合ったわけでもないのに、
　ぼくと犬は、ずいぶん深くつきあってきた気がします。
　たまには叱ったり、めんどくさがったりもしましたが、
　いい思い出、いい表情ばかりが浮かんできます。
　　
　こういうときに、あらためて思うんですよね。
　「ことばってなんなんだろう？」
　これほど語り合わなかったのに、
　こんなにも親しい気持になれるわけですものね。
　ああ、そういえば、ぼくは
　じぶんの娘ともずいぶんつきあってきたけれど、
　語り合ったということばの分量は、
　ずいぶん少ないようにも思うなぁ。
　さらに思えば、妻といる時間も誰よりも多いでしょうが、
　かわしたことばの数や量は、
　ごくたまに会う男ともだちよりも少ないかもしれない。
　
　ことば‥‥ねぇ。
　
・録画しておいた、矢沢永吉が、
　若い人たちの質問に、
　ひとつずつ答えていく番組をみました。
　ことばで質問が投げかけられて、ことばで答える。
　でもね、やりとりしているのは、
　意味としてのことばじゃないんだよねぇ。
　エーちゃんのことばを耳から吸い込んでいく若い人の、
　顔に血の気が回ってきて、輝いていくのが見えるんだよ。
　この番組の最後に、紅白歌合戦のステージを
　再放映してたんだけど、すごい！歌詞、まちがえまくり！
　オチみたいだけど、ことばを超えてたってことか‥‥。

今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。
新宿鮫の載る日に、群青の大ニュースが発表されてます。