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【長野】

教育長、自宅通学を原則 12年開校予定、千曲の中高一貫校

2010年3月4日

 県議会2月定例会は3日、一般質問最終日の質疑を行い、7氏が登壇した。県教委が2012年4月に屋代高校(千曲市)に開校を予定する中高一貫校について、山口利幸教育長は「中学生という発達段階を配慮し、自宅からの通学を基本にする」と述べ、全県的な受け入れは難しいとの見解を明らかにした。

 県教委は中高一貫校を東北信と中南信に1校ずつ設置を計画し、東北信地域が先行している。

 小林氏の質問に、山口教育長は「通学区域は中南信にできるまでの間、1校だけなので県内全域とする」としたが、自宅通学を原則にする考えだ。

 選抜方法については「小学校からの報告書や面接などを総合的に判断し、受験競争にならないよう配慮したい」と語った。

 高校教育課は取材に「東北信と中南信の2校はモデルケースで、自宅外から通う生徒は想定していない。飯田や上伊那、諏訪などから通うのは距離的に難しい」と説明した上で、「中南信にも早い段階で設置できるよう検討したい」との立場だ。

 同地域では、諏訪地区への設置を求める声が上がっている。昨年9月から校内に「中高一貫校教育研究委員会」を設けている諏訪清陵高校(諏訪市)の篠原秀郷校長は「設置を期待する声を重く受け止め、検討を進めたい」と語った。

 定例会は4日から常任委員会審査などを行う。

◆夫婦別姓に慎重対応求める

 県議会は3日の本会議で、「選択的夫婦別姓制度導入のための民法改正」と、「永住外国人への地方参政権付与の法制化」にそれぞれ慎重な対応を求める意見書案を賛成多数で可決した。

 可決された夫婦別姓制度導入に慎重な対応を求める意見書は「夫婦が異なる姓を名乗ることとなれば、家族の絆(きずな)や一体感が損なわれる恐れがある」などとした。

 採決に先立つ討論で、反対討論に立った高島陽子氏(改革・緑新)は「夫婦別姓を求める声には、権利保障の選択の幅を拡大してほしいという要望がある」。和田明子氏(共産党県議団)も「男女の平等な立場が保障されてこそ家族の絆が強まる」と主張した。

 一方、永住外国人への地方参政権付与法制化に慎重対応を求める意見書は「国民合意がないまま法制化を認めるべきではない」などとした。

 【県土地開発公団の後処理】村井知事は、2005年に解散した県土地開発公団が分譲した別荘地の維持について「新たな対策を講じる立場にはない」と述べた。

 清沢氏は、別荘地周辺の道路の除雪など、維持管理が地元市町村の負担になっていると主張。これに対し知事は、開発などは「雇用拡大や地域活性化など社会的、経済的効果を生んだ」と反論し、分譲利益や整備した公園などは地元に譲渡したとして「地元にも利益があった」と語った。

 県企業局経営企画課によると、同公団などが県内で分譲した別荘地は42カ所。

◆インフラ「南北格差」ただす

 この日の本会議。小島氏は、南北を逆にした県の地図を手に、県内論議が続く交通インフラなどの「南北問題」をただした。

 「飯田は南の端だと言う人もいるが、長野も北の端だ」と切り出し、「飯田や南信では『北高南低』と言われて久しい」と指摘。県道改良率や福祉施設の整備率、観光イベント数などの具体例を挙げて県に迫った。

 これに対し、村井仁知事は「中央道の建設は、県内では飯田から始まった」と語り、「衆院議員時代には(東京から)伊北インターチェンジで下り、えっちらおっちら松本まで戻ったことを思い出す」。

 昨年の元善光寺(飯田市)の御開帳にも足を運んだことを説明し「県土は広い。地域の力をそれぞれ高めていくことが、県全体の発展につながる」と理解を求めた。

 質問を終えた小島氏は「地理的に不利なところに目配りすることが重要だ」と話し、今後もチェックを続ける意向だ。

 (柚木まり、大平樹)

 <きのうの質問者>

  ◇福島鶴子議員(創志会、小諸市)

  ◇小山立議員(創志会、千曲市・埴科郡)

  ◇宮本衡司議員(創志会、飯山市・下水内郡)

  ◇下村恭議員(改・緑、上田市・小県郡)

  ◇小島康晴議員(改・緑、飯田市)

  ◇小林伸陽議員(共産党、上伊那郡)

  ◇清沢英男議員(自民党、東筑摩郡)

 

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