静和病院(東伊豆町奈良本)をめぐる診療報酬詐取事件で、静岡地裁沼津支部から10日、実刑判決を言い渡された、元院長の吉田晃被告(71)と元事務長の水谷信子被告(75)が判決後に接見した弁護人に、判決を不服として控訴する意向を示した。両被告は公判で無罪を訴えていた。
片山隆夫裁判長は10日の判決公判で、両被告に対し「計画的で巧妙な詐欺だ。保険診療制度の根幹を揺るがしかねず、強い非難に値する」と指摘。両被告の公判での主張についても「不自然で、不合理な弁解に終始し、反省の情はない」と切って捨てた。
両被告の弁護人は公判後、記者団に「病院のトップ2人が知らなかったはずはないという偏見のもとで、法廷での当時の部下職員の証言を裁判所が評価している」と反論。「静和病院が存続できるかという問題もある」とも語った。
判決によると、両被告らは06年4月、一般病棟の入院基本料について、看護職員数を水増しするなど虚偽の届け出書を静岡社会保険事務局(当時)に提出。これを踏まえて診療報酬の審査支払機関に虚偽の請求を行い、同年11月までの8カ月間で診療報酬計約8700万円を詐取した。
判決は吉田被告の詐欺罪を認め、懲役6年6月(求刑・懲役7年)を言い渡した。水谷被告については詐欺罪と健康保険法違反罪を認定し、懲役5年6月(求刑・懲役6年)を言い渡した。
静和病院は10日、取材に「コメントできる者が不在で、対応できない」と話した。【田口雅士】
毎日新聞 2010年3月11日 地方版