普天間「県外移設」沖縄側が攻勢…政府対応に怒り
2010年3月12日(金)2時11分配信 読売新聞
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沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題で、沖縄側が政府に対し「県外・国外移設」を求めて攻勢に出始めた。
政府は3月中に政府としての移設案を決める方針を示しており、同県名護市に広がる米軍キャンプ・シュワブ陸上部案が有力案となっている。沖縄側では、現在の与党は衆院選時に「県外移設」を約束したとして、怒りや不満が高まっている。
沖縄県議会の超党派議員団は11日、先に全会一致で可決した県外・国外移設を求める意見書を平野官房長官、北沢防衛相、前原沖縄相、武正公一外務副大臣にそれぞれ手渡した。議員団長の新里米吉氏(社民)は武正副大臣との会談で「沖縄では、最近の政府から聞こえてくる情報が『県内移設ありき』ではないかという疑問、怒りがますます大きくなっている」とぶちまけた。新里氏らは平野長官には「『県内』では県民が納得しない。日米安保に穴が開きますよ」と警告した。
同日の衆院安全保障委員会では、沖縄選出の照屋寛徳氏(社民)が、政府内で浮上している米軍ホワイトビーチ(うるま市)沖合の埋め立て案について、「到底無理だ」と反対した。
仲井真弘多・沖縄県知事も10日の平野官房長官との会談で、シュワブ陸上部への移設は周辺への騒音などから認められないと反対を表明。その際、「民主党が選挙で掲げた『県外・国外移設』はどうなった」とたたみかけた。長官は「県外も選択肢だ」とかわしたという。
現行計画のシュワブ沿岸部(名護市辺野古)への移設を容認してきた知事は、県内で自らに対する風当たりが強まっており、「かつてないほど政府に憤っている」(周辺)とされる。沖縄では4月中旬に県外・国外移設を求める超党派の県民大会を開く動きも起きている。