テンが侵入した場所を特定するため、順化ケージを調べる佐渡トキ保護センター職員ら=新潟県佐渡市新穂正明寺、同センター提供
テンはもともと島にいたものではないという。地元の獣医師坂田金正(きんせい)さん(77)によると、1960年代、野ウサギが増えて林業の被害が深刻化したため、駆除のためキツネなどとともに本州から二十数頭を放した。島には熊やイノシシがいないため襲われることがなく、えさも豊富なことから年々増殖し、現在2千頭はいるとみられている。
一昨年秋に初めて自然界に放されながら、約3カ月後に島内で死んでいるのが確認されたトキは、タヌキに襲われたとみられている。タヌキも江戸時代に本州から島内に持ち込まれ、繁殖したという。(高橋淳)