出光興産は10日、2010年度の原油処理量を09年度見込みに対して0.7%減の2830万キロリットルにすると発表した。これに合わせ国内4製油所のうち3製油所で約100日間、原油処理を停止。将来の製油所の閉鎖も検討する。昭和シェル石油も同日、川崎市の製油所の一時停止を新たに発表。石油製品の需要が減少する中で国内の原油の精製能力は2割が過剰とされており、供給能力削減の動きがさらに広がりそうだ。
出光は09年度、生産量を前年度比で約1割減らしたが、10年度も需要回復が見込めないため同水準を継続する。09年度までは定期修理に入る設備を休止することで供給量を調整していた。10年度は定期修理の予定がないことから、01年12月の兵庫製油所(兵庫県姫路市、その後03年に生産停止)以来の一時停止に踏み切る。
まず北海道製油所(北海道苫小牧市)を6月中旬から、9月以降に徳山製油所(山口県周南市)と愛知製油所(愛知県知多市)をそれぞれ30日強停止する。3製油所の精製能力は合計で日量42万バレル。年度途中の需要次第で休止の延長も検討する。
(10日 21:54)