北野武監督　ミッテラン文化相から祝福のキス

９日、パリでフランスのミッテラン文化相（右）から芸術文化勲章コマンドール章を授与される北野武さん（中央） Photo By 共同

　フランスの芸術文化勲章の最高章コマンドールを授与された北野武監督（６３）が９日、「夢のよう」と喜びを語った。叙勲式はパリのカルティエ財団美術館で行われ、ミッテラン文化相から首にかけられた。

　ベネチア映画祭で金獅子賞（最高賞）に輝いた「ＨＡＮＡ−ＢＩ」やカンヌ映画祭に正式出品された「菊次郎の夏」などフランスでも大人気の北野監督は「文化の中心パリにあこがれを抱いていた。（受章は）夢のようだ。自分がこの勲章に値するか不安だが、値するように一生懸命努力する」と喜びを語った。

　共同電によれば、ミッテラン文化相は「（北野監督のように）私もテレビ業界にいたことがある。映画界でも働いた。（人生で）たびたびトラブルにも見舞われた」と述べて会場を沸かせた後、「北野監督の作品には自然体の力がある。自由へのメッセージがあり、並外れた独創性がある」と授章理由を説明し、北野監督の右ほおにキスして祝福した。

　同美術館では１１日から絵画にも力量を発揮する北野監督の美術作品が一般公開され、市内の現代美術館ジョルジュ・ポンピドー芸術文化センターでも１１日から映画作品の連続上映会が行われる。

　北野監督は１３日に帰国予定で、報告会見を予定。９年ぶりのバイオレンス作品「アウトレイジ」は年内にも公開される。

[ 2010年03月11日 ]