2010.3.12 01:25
【ワシントン=古森義久】米国議会下院外交委員会が10日に開いた公聴会で中国政府と対立している米インターネット検索最大手グーグルの代表が今後も中国市場撤退を覚悟で中国側の検閲には同調しないという方針を再び強調した。同代表らはさらに中国当局が米側の大手企業合計20社以上にサイバー攻撃をかけているとも証言した。
同公聴会は「グーグルの苦境」と題され、中国でのインターネットの検閲やサイバー攻撃に反対して、中国政府から圧力をかけられているグーグルの問題を中心にインターネットへの妨害活動への対策を論じた。
証人となったグーグルのニコール・ウォン副社長はまず中国でのグーグルの検索サービスで「民主主義」とか「天安門事件」という特定の言葉が検閲で削除もしくはブロックされていることへの強い反対を表明し、「グーグルとしてはその種の検閲に応じることを拒んでおり、その結果、(中国政府から圧力を受けて)中国市場から撤退することになっても構わないと決意している」と証言した。
ウォン副社長はさらに「中国での当局によるインターネットへの介入はなお増し、言論の自由が抑圧されている」と述べ、(1)昨年12月半ば以来、グーグル本社の企業インフラを標的とする中国からの高度のサイバー攻撃が急増した(2)米国のインターネット、金融、技術、マスコミ、化学などの分野の大企業20社以上が同様に標的となり、攻撃を受けている(3)この種の攻撃の第一の目的はまず標的あるいは標的と関連のあるGメールへの秘密の侵入だと思われる(4)とくに米欧在住を含む中国の人権活動家たちにかかわるGメール・アカウントは第三者により定期的に侵入されていることが判明した-などと証言した。