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「敬愛する金総書記」107回、日米に敵対…朝鮮学校「現代朝鮮史」 (2/2ページ)

2010.3.11 23:19
朝鮮高級学校で使われている「現代朝鮮史」の教科書=11日午後、東京・霞が関の文部科学省(古厩正樹撮影)朝鮮高級学校で使われている「現代朝鮮史」の教科書=11日午後、東京・霞が関の文部科学省(古厩正樹撮影)

 ■日本の謀略宣伝

 平成14年の小泉純一郎元首相の訪朝で、金総書記が日本人拉致を認めた事実は、在日朝鮮人社会にも大きな衝撃を与えた。総連は拉致事件を「絶対に許されない犯罪行為」(徐(ソ)萬述(マンスル)議長)と謝罪。翌年度からは小中高すべての教科書が改編されたという。

 しかし、18年発行の第3巻では、小泉訪朝を「反共和国(北朝鮮)孤立圧殺の策動が危機にひんした」ためだと説明。「朝日平和宣言発表以後、日本当局は『拉致問題』を極大化し、反共和国、反総連、反朝鮮人騒動を大々的に繰り広げた」と描く。「拉致は犯罪」との認識は見る影もない。

 核問題やテポドン発射についても日本当局や言論機関がこの機会を利用して「総連を瓦解させようとする謀略宣伝を敢行した」と断言。朝鮮中央放送が報じる公式見解と何ら変わるところはない。

 ■「在日論」の否定

 教科書に貫かれているのは「日米韓が結託し、あらゆる手段と方法を駆使して共和国を瓦解させようとした」との史観で、それに立ち向かう北朝鮮や総連の姿が常に強調されている。半面、「日本当局の弾圧と同化政策」のもと、総連への帰属意識や民族的自覚を薄めていく若い世代への懸念が繰り返し指摘されている。

 「3世、4世の同胞たちの中には、民族的矜持(きょうじ)と自負心をもって生きるのではなく、姓名を維持し、『朝鮮系(韓国系)日本人』として暮らすことが、あたかも国際化の趨勢(すうせい)に合っているように考える傾向が現れ始めた」

 昭和50年代から在日韓国・朝鮮人社会の中で広がり始めた、日本社会の構成員として共生を目指す「在日論」は、「社会主義祖国と総連組織を遠ざける」存在として否定的に描かれている。

 教科書では本国との一体化や総連への帰属を繰り返し訴えている。時代をへて日本社会にとけ込み、多様化する“在日”は、日米韓当局同様に否定される存在でしかないようだ。

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朝鮮高級学校で使われている「現代朝鮮史」の教科書=11日午後、東京・霞が関の文部科学省(古厩正樹撮影)
朝鮮高級学校で使われている「現代朝鮮史」の教科書=11日午後、東京・霞が関の文部科学省(古厩正樹撮影)
記者会見するRENKの李英和代表(左)と高英起事務局長=11日午後、東京・霞が関の文部科学省(古厩正樹撮影)
記者会見するRENKの李英和代表(左)と高英起事務局長=11日午後、東京・霞が関の文部科学省(古厩正樹撮影)

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