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「ダム建設は下流の国にもメリット」メコン渇水で中国側
【北京=矢板明夫】中国によるメコン上流でのダム建設に東南アジア関係諸国が反発していることはここ数年、中国国内でしばしば話題となっており、中国外務省の何亜非次官は2008年3月、「中国は水利施設を建設するとき、下流の国々の利益を十分考えており、配慮をしている」と述べ、「ダム建設はほかの国に悪い影響を与えていない」との見解を示している。
中国紙「科技日報」はメコン川の開発に関する09年2月の特集で、「下流の国で起きた洪水や干魃(かんばつ)は自然現象であり、ダム建設との因果関係はない」と主張、中国のダムはむしろ川に水の量のバランス良く調整する役割を果たしており、下流の自然災害の被害を減していると強調した。
同紙はまた、ダムが発電した電力は中国国内だけではなく、タイ、ベトナム、ラオスなどに提供されていると指摘。“ダムは良いことばかり”であるにもかかわらず、東南アジア諸国の世論が中国に反発するものとなっているのは「東南アジア諸国で活動している欧米系のNGO(非政府組織)がメディアを利用して意図的に中国のイメージダウンを図ろうとしていることが影響している」との独自の見解を掲載した。