「なぜ救急車に道を譲らないのか」=世論調査(下)

市民1000人にアンケート

 2008年の中央消防学校受賞論文「緊急車による交通事故防止に向けた効率的対策」によると、「レッカー車や私設医療機関の緊急車両は通常でもサイレンを鳴らすため、サイレンを鳴らしても市民の協力が得られなくなった。そのため、救急車に道を譲ることについて、市民は不信感を持っている」とのことだ。

厳しい取り締まりや処罰が必要

 海外と同じように、韓国でも救急車に道を譲らないドライバーに対して、厳しい取り締まりや処罰を行うべきという意見もある。

 先進諸国では、緊急車両に道を譲らないドライバーには、厳しい罰金刑が課せられる。米国オレゴン州では緊急車両が見えた場合、直ちに路肩に移動して停止しなければならず、これに反した場合には、720ドル(約6万5000円)の罰金を支払わなければならない。カナダでも同じで、罰金額は380-490カナダドル(約3万3500円-約4万3200円)だ。また、緊急車両から150メートル以内を走行する恥知らずのドライバーには、1000-2000カナダドル(約8万8200円-約17万6500円)の罰金が課せられる。

 韓国の道路交通法でも、緊急車両を避けなかったり、一時停止義務に違反した場合には、4万-5万ウォン(約3200円-約4000円)の罰金が課されることになっている。ところが、この規定に違反したとして実際に摘発されたのは、2007年にはわずか36件だった。そのため消防防災庁は、厳しい取り締まり規定と重い罰金を賦課するための法制化も検討しているという。

 韓国サイバー大学消防防災学科のパク・ジェソン教授は、「心肺停止状態にある患者など、緊急事態では1分1秒が生存率を大きく左右する。ドライバーが“いかなる緊急車両に対してもまずは道を譲るべき”という認識を持てば、一人でも多くの患者の命を救うことができるだろう」と述べた。

金成謨(キム・ソンモ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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