「なぜ救急車に道を譲らないのか」=世論調査(中)

市民1000人にアンケート

先進国では渋滞でも救急車に道を譲る

 米国、ドイツ、オーストリアなどの先進国では、救急車が出動すれば一般の車は自分から道を譲る。その光景は、まさに魔法のようだ。駐韓ドイツ大使館のスペックハルト氏は、「ドイツ人はいつかは自分もあのような立場になると考え、救急車を見れば当然道を譲る。罰金が賦課されるためではない」と述べた。ドイツでは通勤時間のラッシュ時でも、ドライバーは何とかして車を動かし、救急車に道を譲ろうとする。

 今回のアンケート調査で、「道を譲れるスペースがない」という回答が多数を占めたことから、市民が道を譲る要領をよく知らないことも、原因として浮上した。「救急車に道を譲る義務と方法について教育を受けたり、そのような情報に接したことがあるか」という質問に対しては、74.6%が「まったくない」と答えた。

 一方スペックハルト氏は、「ドイツでは運転免許を取得する際、救急車に道を譲る方法から学ぶ。学校でも車だけでなく、自転車も救急車に道を譲らねばならないと習う」と説明した。

本当に危険な状況なのか信じられない

 救急車に「譲歩の美徳」を発揮できないもう一つの理由が「不信感」だ。救急車を目にしても、「本当に緊急事態なのだろうか」と疑うケースが多いという。

 回答者の35.9%は、「本当に危険な状況なのか信じられない」と回答し、24.7%は救急車がサイレンを鳴らしていても、「救急患者を運んでいるとは思えない」と回答した。また半分以上の57.6%が、「レッカー車や警備会社などのサイレンとの区別がつかない」と回答した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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