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ラッコ食害ウニ全滅 納沙布沖、移植の3トン 歯舞漁協「人気者」に苦慮 (03/11 06:41、03/11 14:05 更新)

(上)納沙布岬に近い歯舞港内でウニを抱いて浮かぶラッコ=2月9日(右)海中で中身がない状態で見つかったウニ=3月4日(いずれも歯舞漁協提供)

(上)納沙布岬に近い歯舞港内でウニを抱いて浮かぶラッコ=2月9日(右)海中で中身がない状態で見つかったウニ=3月4日(いずれも歯舞漁協提供)

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 【根室】根室市の納沙布岬に近い沖合で歯舞漁協が育ててきたウニ約3トンが、全滅しているのが見つかった。漁協が調査を依頼した専門家は、岬付近に生息しているラッコによる食害と断定。被害額は判明分だけで約500万円で、3千万円に達する可能性もある。ラッコは法律で捕獲が禁止されている上、ファンが多い人気者。漁協は「このままでは死活問題」と対応に苦慮している。

 現場は根室半島のオホーツク海側。歯舞漁協のオホーツクうに漁業部会の漁業者が4日からタモ漁を始めたところ、中身が入っていない大量の殻を発見。ダイバーが潜水して調査した結果、別の場所から移植して育ててきた少なくとも約3トンのウニが「全滅状態だった」という。

 歯舞漁協は、根室市歴史と自然の資料館の近藤憲久学芸主査に調査を依頼。近藤学芸主査が「納沙布岬周辺には数匹のラッコが生息している。食痕がギザギザなことから、ラッコによる被害に間違いない」と判断した。ラッコの生態に詳しい独立行政法人・水産総合研究センター北海道区水産研究所(釧路)の服部薫研究員も「ラッコは食べ尽くす習性がある。ラッコの仕業以外には考えられない」と指摘する。

 納沙布岬周辺には釧路川で人気を集めた「クーちゃん」が昨年5月以降、姿を見せるなど、数匹のラッコが長期滞在中。観光客の人気を集めており、同部会の漁業者は「人気者を敵に回したくないが、生活が成り立たない」と頭を抱える。

<北海道新聞3月11日朝刊掲載>

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