角川映画『汚れた英雄』 / ローズマリー・バトラーの主題歌 10月 29日, 2008年 by 阿月 まり
今はもう、ほとんど名前を聞くこともありませんけど、うちは姉妹そろって草刈正雄さんのファンでした♪
すらりと伸びた長身、ハーフならではの端正な顔立ち、まるで少女マンガから抜け出てきたような上品で麗しいルックスにメロメロだったのです。
その草刈さんが全裸を披露し、有名女優と濃厚なラブシーンを演じて話題を呼んだのが、大藪春彦原作の『汚れた英雄』。
美貌と才能に恵まれた野心的な男が金持ち女をたらしこんで上り詰め、最後は破滅する――という、大藪小説の黄金パターンを地で行く作品です。
興行的にはそれほど成功しませんでしたが、ローズマリー・バトラーの主題歌「Ridin’ High」は大変ヒットしました。公開当時、この曲を耳にしなかった日はなかったくらいです。
『コンマ1秒のエクスタシー』というコピーも大変話題になりました。
歌詞も燃えるようなエナジーがみなぎって、レースのシーンにとてもマッチしています。
こちらはローズマリー・バトラーの主題歌にのって展開される映画のオープニングです。
/video/dirtyhero.flv
I can see you burning with desire
Reaching for a glory you will never find
I can’t help but feel a wall around you
The way you kiss me you never miss me do you?You don’t care what people say about you
Searching for an endless game all thru your life
Riding thru a haze that you call memories
Get on the right track you never look back do you?The nights we spent the tears I shed
My words of love will never dieRiding High Riding High
You are the lonely rider I know
Riding High Riding High
I love you more than you’ll ever know
You’re going too fast
You better think twice・・・oh no!
You’re going too fast
You better think
Riding High
あなたの中に 燃えるような欲望が見える
あなたには決して見出せないだろう栄光を求めているのね
私にはあなたを助けることはできない
ただ あなたの周りに隔たりを感じるだけ
あなたは私に口づけしても 恋しく思ったりはしないのよね
あなたは周りの人が何と言おうと気にしない
人生を懸けた終わりなきゲームを探し求めている
あなたが思い出と呼ぶ 朦朧としたものも走り抜けて
信じた道を 決して振り返ることなく突き進んで行くのでしょう?
だけど 私たちが過ごした夜と 私の流した涙
そして私の愛の言葉は決して死んだりしない
高速で駆け抜けるのよ
あなたが孤独なライダーだということは分かっている
そうよ 高速で駆け抜けて
あなたが知る以上に 私はあなたを愛しているのよ
そして あなたは あなたが思うよりもずっと速く
駆け抜けてゆくのね
{自家製フィーリング訳}
歌詞がシンプルなだけに、いろんな風に解釈できますね。
でも、「Riding High」って、本当にいい言葉だし、大藪小説の主人公のイメージにピッタリだと思います。
☆こちらの記事もぜひご覧になって♥
「映画『復活の日』 ジャニス・イアンのYou are Love / 草刈正雄に萌えた日」
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「映画」と「原作」と「主題歌」を同時に売り出す『タイアップ商法』を大々的にやり出したのは角川が初めてでした。
第一弾の映画『人間の証明』は、「読んでから見るか、見てから読むか」というキャッチコピーで、森村誠一の原作も売れに売れたし、角川映画のヒロインだった薬師丸ひろ子ちゃんも主題歌が軒並みヒットして、女優というよりアイドル歌手のような売れ方でした。
が、ただ単に「コマーシャルが効果的だった」からではなく、松田優作、高倉健、薬師丸ひろ子、真田広之といった俳優の魅力に加え、どの主題歌も非常に印象的で、「これで売れなきゃどうかしている」と思うくらいのクオリティの高さだったと思います。
言うなれば、大衆の好みをとらえた、作り手のセンスも素晴らしかったということですね。
こういう売り方を考え出した角川春樹という人は、本当にすごいと思います。(○○所持で逮捕されましたケド・・)
まさにサブカルチャー爛熟期の80年代を代表するプロデューサーの一人ですね。
(もう一人は、『オレたちひょうきん族』『The Manazai』の仕掛け人、横沢プロデューサー)
角川映画『汚れた英雄』
大藪春彦原作の同名ベストセラー小説を、角川映画の時の総帥・角川春樹が自らメガホンを握って初監督したハードボイルド・バイクレース・アクション映画。
徹頭徹尾クールでスタイリッシュなジゴロ風のヒーローを草刈正雄が見事に演じきっているが、そこには原作の持つ「汚れた」要素は微塵もなく、むしろ英語タイトル「THE LAST HERO」の方が似つかわしいテイストになっている。
主演・草刈正雄もさることながら、晶夫に入れ込む金持ち女を演じる木の実ナナ、浅野温子といった女優陣も妖艶。
ストーリーそのものに興味がなくても、ツーリングやレースの好きな人、特に、若かりし頃、バイク野郎だった人には懐かしく楽しめる作品だ。
角川映画スペシャル
まさに「80年代」を象徴するような豪華ラインナップ。
あのメロディ、あの場面が、懐かしく思い出されるファン垂涎の一品です!
人間の証明のテーマ/ジョー山中
戦士の休息/町田義人
蘇える金狼のテーマ/前野曜子
戦国自衛隊のテーマ/松村とおる
セーラー服と機関銃/薬師丸ひろ子
汚れた英雄/ローズマリー・バトラー
探偵物語/薬師丸ひろ子
時をかける少女/原田知世
里見八犬伝/ジョン・オバニオン
メイン・テーマ/薬師丸ひろ子
愛情物語/原田知世
Woman ~Wの悲劇~より/薬師丸ひろ子
first edition : 07/05/06
Last update : 07/11/25
主題歌『Riding High』の歌詞を追加
里見八犬伝 [DVD]
国民的アイドルだった薬師丸ひろ子と頭角を現した頃のフレッシュな真田広之の共演が見物。
千葉真一、志穂美悦子、京本政樹といった東映の人気スターが一堂に会した豪華エンターテイメント大作。
夏木マリの玉梓姫も妖艶で素晴らしい。
人間の証明 [Blu-ray]
松田優作の渋い演技が見物。「人間を憎む刑事・棟居」のイメージにぴったりはまっている。
黒い息子ジョニーの哀しさが、「Mama、Do you remember?」の歌詞に乗って山間を漂う名作。
犬神家の一族 [DVD]
「金田一」といえば石坂浩二。それ以外は考えられない。高峰三枝子の「松子夫人」に、覆面・青沼静馬(=西条輝彦)のカスレ声「おれは犬神一族に勝ったんだぁぁ」、島田陽子の芸術的美しさ、日本映画界伝説の名作です。
魔界転生 [DVD]
ジュリーが一番ノリにのっていた頃の伝奇ロマン。真田広之とのキスシーンはアドリブだとか!!
千葉真一と緒形拳の一騎打ちも最高だし、妖刃・村正を鍛える丹波哲郎はそのまんまのキャラクター。
こんな作品、二度と撮れない。それぐらい味わい深い作品。
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12月 14th, 2008 at 11:44 PM
またまた お邪魔です。
まりさんとは 年代が似通ってるからかもしれませんが、
話題が 同調します。
この「汚れた英雄」 当時 彼氏だった今の旦那に誘われて 見に行きました。
私は、あまり乗り気ではなかったのですが、見に行って 良かった印象を持ってます。
私も 草刈正雄さん ファンでしたね。
真田さんも ファンでした。
12月 15th, 2008 at 6:45 PM
コメントはいくつもらっても有り難いです(^^)
また興味のある記事がありましたら、どんどん書き込みして下さいね。
草刈さん、素敵でしたでしょ♪
「華麗なる刑事」とか「復活の日」とか、かじりついて見てましたよ。
今は舞台で活躍されているんでしょうね。
ネットの記事でちらりと読んだことがあります。
真田さんもデビューしたての頃はお猿さんみたいで、
「え、この人が・・」って印象だったんですけど、
やはり千葉真一は見る目がありましたね。
年齢を重ねるごとに味のある役者さんになられて、若い時より今の方がずっと素敵に感じます。
これからもどんどん海外進出して欲しいですよね。
12月 19th, 2008 at 9:10 PM
ふと ビデオラックを見ると なんと「汚れた英雄」が 我が家にありました。
それも 今は 希少価値(?)のβビデオです。
12月 22nd, 2008 at 12:00 AM
ベータ版、懐かしいですね。そのうちお宝になるかもしれないですよ。
いつ、誰が買ったのか、気になりますね(゚_゚)
5月 9th, 2009 at 10:00 AM
ふと立ち寄らせて頂きました。草刈正雄さんも「汚れた英雄」も懐かしい。。。。映画の中のレーサー役は平忠彦さんだったと思います。彼に憧れてバイク野郎になった私、クリップをしばし見とれました。
5月 11th, 2009 at 4:08 PM
「角川映画」も「汚れた英雄」も、まさに時代を象徴する作品でしたね。
私も初めて動画を見つけた時は、じ~んと感じ入ってしまいました。
バイクに憧れる気持ち、私も分かります。
若かりし頃、バイク野郎のグループに入れてもらって、時々、丹後や福井の海岸に出掛けていました。
車とはまた違う爽快感ですよね(^^)
8月 20th, 2009 at 7:23 AM
「汚れた英雄」懐かしいですね。
当時二輪のレースを始めた頃で、映画公開後に参加人口が爆発的に増えたのを覚えています。
ローズマリーバトラーの曲も好きでした。
和訳があって歌詞の意味が理解できました、ありがとうございます。
余談ですが、スロット機のバリバリ伝説で赤7で揃うとこの曲が流れます。
やるたびに当時を思い出します。(笑)
8月 20th, 2009 at 7:53 AM
なかざわさん、こんにちは。
「汚れた英雄」とこの主題歌は、忘れられない……という方が本当に多いですよ。
当サイトでもダントツのアクセスです。
和訳は……私のフィーリング訳なので^_^;
厳密な翻訳じゃないんですけど、何となくイメージを掴んで頂けたら嬉しいです。
「バリバリ伝説」も懐かしいですね。
今では「バリバリ」という言葉も死語みたいですが・・
70年代後半から80年代にかけては、つっぱりの合い言葉でしたもんね。
銀蠅を思い出します。
なんだかんだで、面白い時代でしたね(^^)