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計画通りの開設強調 江之子島アートセンター

2010年3月10日

 大阪府の橋下徹知事は9日の府議会本会議で、府立現代美術センター(大阪市中央区大手前)移転計画をめぐり、旧府立産業技術総合研究所跡地(同市西区江之子島2丁目)に開設予定で計画の遅れが懸念されていた「江之子島アートセンター」について、「大阪のアーティスト活動の拠点にしたい」と述べ、当初計画通り2011年度中の開設を目指すことを強調した。

 現代美術センターの移転先となる土地は、「廃藩置県」後に初めて府庁が建てられた場所で“府政発祥の地”とも呼ばれているという。現存する旧館は府内で数少ない昭和初期のモダニズム建築。戦前は工業奨励館、1996年までは同研究所として活用されていた。

 府は、旧館を改修して現代美術センターの機能を移転して「江之子島アートセンター」を整備。また、財政再建に伴う資産活用で旧館と隣接する府有地約1万5千平方メートルを民間売却しており、隣接地は江之子島地区の歴史を生かして「芸術と都市居住の融合」をコンセプトに民間会社による江之子島まちづくり事業が計画されている。

 この日の一般質問で半田実議員(民主)が「江之子島アートセンター整備が遅れた場合、移転先の目途が立たないまま現代美術センターが廃止されてしまう」と指摘。橋下知事は「“アーティストが活動する大阪”という都市戦略を掲げており、江之子島アートセンターはアーティスト活動の拠点となる。現代美術センターの機能が途切れることなく、円滑な移転に最大限努める」と答えた。