医療介護CBニュース -キャリアブレインが送る最新の医療・介護ニュース-

医療介護ニュース   >   医療一般

「成育医療」の医師数、一般病院の1.9倍必要―日医総研

Yahoo!ブックマークに追加 はてなブックマークに追加 この記事をlivedoorにクリップ! この記事をdel.icio.usに登録する

 日本医師会総合政策研究機構はこのほど、胎児期から成人時代までの健康を包括的に取り扱う「成育医療」を担う小児総合医療施設では、一般病院の約1.9倍の医師数が必要で、「現在の医療の水準を保持するためには、国や自治体の財政支援が不可欠である」とするワーキングペーパー(WP)を公表した。

【関連記事】
人口当たり医師数に16.4倍の地域差―日医総研
欧米並みの在院日数、「健康長寿そこなう」―日医総研
米医療産業が日本の医療政策に影響―日医総研
「子どもの心の診療拠点病院」事業評価で調査実施へ
周産期・新生児医学会も反対声明―事業仕分け、救急・周産期の補助金削減に

 WPでは、小児用に設計された病室やMRI、CTなどの検査設備、講堂や教室などの教育用スペースなどを備えている小児総合医療施設のうち、児童福祉施設の病床が全体の30%未満で、小児病床率が70%を超えているか、小児病床が250床以上の独立した病院(1型病院)18施設の経常損益などを分析し、1型病院以外の自治体病院などと比較した。
 18施設の2006年度の経常損益を平均すると18.5億円の損失で、赤字だったのは16施設。医業収益に対する給与費、材料費、経費、減価償却費の割合は、給与費が71.5%で最も高く、次いで材料費27.3%、経費22.0%、減価償却費11.3%と続いた。一方、自治体病院では給与費56.0%、材料費27.4%、経費22.8%、減価償却費8.1%の順で、1型病院と比べると給与費に15.5ポイントの差があった。WPでは「成育医療の不採算を語る上で、給与費の影響が最も高い」と分析している。
 一方、厚生労働省の06年度医療施設(動態)調査・病院報告によると、一般病院7870施設の100床当たりの平均常勤医師数は12.6人、平均常勤看護師数は50.9人。これに対し、1型病院の100床当たりの平均常勤医師数は約1.9倍に当たる24.0人、平均常勤看護師数は約2.2倍に当たる114.1人だった。
 さらにWPでは、1型病院1か月当たりの看護師の平均夜勤回数や医師の宿・当直回数が、労働基準法や人事院勧告で定める基準を超えていることから、人員が過剰に配置されているわけではないと指摘。その上で、低出生体重児が増加し、患者数が増えていくことが予想されていることから、「医療の質の向上・安全面を考えると医師・看護師数を減らすことは難しい」としている。

更新:2010/03/08 20:14  キャリアブレイン

この記事をスクラップブックに貼る


この記事についてつぶやく

RSS My Yahoo!に追加 Add to Google

新着ニューストピックス

動画ニュース

2010.03.09 20:50 Update

前へ 赤丸 黒丸 黒丸 次へ

「在宅だけでは「限界」―全国老施協・中田会長」画像

 全国老人福祉施設協議会(全国老施協)は3月9日、社会 ...

2010.03.09 UP

「医療者の指刺し事例報告踏まえ、「穿刺器具の取扱い」注意喚起」画像

 厚生労働省はこのほど、各都道府県衛生主管部長などに向 ...

2010.03.09 UP

「費用負担、公費めぐる意見多数−高齢者医療制度改革会議」画像

 厚生労働省は3月8日、後期高齢者医療制度に代わる新た ...

2010.03.08 UP

注目の情報

医療介護CBニュース × twitter

タイアップ記事


CBニュース 注目コンテンツ

アクセスランキング

医療一般

医療介護CBチャネル

ページトップへ