くらし
開胸せず食道閉鎖症の乳児手術 兵庫医大が成功
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兵庫医科大病院(西宮市)は10日、生まれつき食道が上下に離れている「食道閉鎖症(グロスA型)」の乳児に対し、体に小さな穴を開け、食道の途切れた部分を縫い合わせる内視鏡手術に国内で初めて成功した、と発表した。(坂口紘美)
食道閉鎖症は五つの型があり、グロスA型は全体の5%、全国で年間10人前後が発症するとされる。ほかの型に比べて途切れている部分が長いため、手術を数回に分ける必要がある。食道を伸ばした後、開胸して縫合するのが一般的だが、患者にとっては体力の消耗や感染症の危険など負担が大きかった。
今回の手術は、いったん食道を首の切開部から体外に引き出し、約半年かけて徐々に引っ張りながら4センチ延長。その後、脇の下や背中など4カ所に開けた小さな穴から内視鏡を入れ、モニター画面を見ながら体内に戻した食道を縫合するなどした。乳児は1年余りで退院し、最近、離乳食を食べ始めたという。
執刀した同大学小児外科の奥山宏臣教授(49)は、2003年には食道閉鎖症の約9割を占めるグロスC型の内視鏡手術も国内で初めて成功。「赤ちゃんにとって体の負担が少ない手術に、今後も積極的に取り組んでいきたい」と話している。
■食道閉鎖症 食道が途切れ、閉じてしまう先天性の疾患で、胎児期に起きる形成異常が原因。1300〜4500人に1人の割合で発症するとされる。出生後、泡状の唾液(だえき)を嘔吐(おうと)したり、呼吸困難になったりする。呼吸不全が進行するため早期の手術が必要。妊娠中の母体の羊水過多や胎児の超音波検査で、出生前に診断されることがある。
(2010/03/10 14:31)
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