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武藤、引退危機…限界右ひざ4月に手術

 緊急会見で右ひざ手術に踏み切ることを発表した武藤=全日本事務所
 緊急会見で右ひざ手術に踏み切ることを発表した武藤=全日本事務所

 『日本マット界の至宝』が引退危機に陥った。全日本の武藤敬司社長(47)は9日、都内の事務所で緊急会見を開き、4月上旬に変形性膝(しつ)関節症に悩まされる右ひざの手術に踏み切ると発表した。膝(しつ)関節内の遊離体を除去する手術で、今シリーズは12日・銚子大会から欠場。21日・両国国技館大会でウワサされた“化身”のグレート・ムタ出現も白紙に戻された。復帰時期は未定で、エース不在となる全日本も大きな試練に立たされた。

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 慢性的な故障を抱えていた右ひざが、8日の千葉大会でパンクした。武藤は「周りの足を引っ張っている感じで精神的にもショック。悩んだ末に決断した」と、無念の思いを口にした。今年に入って痛みを覚え、鎮痛剤を服用しながら試合を続けた。だが患部は悪化するばかりで、ついに限界を超えた。

 両ひざの故障はムーンサルトの乱発が原因で、1988年に初めて手術した。その後も日米で手術を行っており、今回は98年4月に両ひざを手術してから12年ぶり4度目だ。両ひざは90度以上曲がらず、担当医から「こんな足でなんでプロレスができるの」と言われながら酷使してきた。

 前回は内視鏡で半月板の損傷部などを除去し、懸命のリハビリもあって3カ月で復帰できた。今回は関節ネズミ(遊離体)が大きく、数も多いため、直接メスを入れることになる。患部は「開いてみないと分からない」とし、手術の経過次第では復帰も危ぶまれる。

 10月に旗揚げ38周年を迎える全日本にとっても事態は深刻だ。武藤が2002年に新日本から移籍後、長期休場は初めて。国技館の大一番、さらに4月の「チャンピオン・カーニバル」も“大黒柱”を欠いては興行面での影響が大きい。

 内田雅之取締役は「会社として不安感はある。諏訪魔ら新世代に期待したい」と、他選手の奮起を促した。武藤は「人工関節を入れれば一番楽だが、それじゃ試合ができない。夏にも復帰したいし、そのための手術。戻った時にオレがジェラシーを覚えるぐらい頑張ってほしい。試練は必ず乗り越える」と、復活を誓った。

(2010年3月11日)
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