2010年3月10日 16時5分更新
版画家の棟方志功が、鏡野町出身の詩人に宛てた未公開の手紙や絵はがきなどおよそ90点が見つかり、津山市で公開されています。
公開されているのは棟方志功が昭和20年代のなかばから40年代にかけて、鏡野町上斎原出身の詩人で、現在は滋賀県大津市に住んでいる柳井道弘さん(88)に送った手紙や絵はがきなどおよそ90点です。
棟方より19歳年下の柳井さんは、戦前、大学時代に東京で棟方に出会って師と仰ぎ、戦後は棟方が上斎原に帰っていた柳井さんを度々訪れるなど、昭和50年に棟方が亡くなるまで家族ぐるみの交流が続いたということです。
柳井さんの大津市の自宅で見つかった手紙などの文面は私的な内容が多いことから柳井さんの希望で、一部を除いて非公開になっていますが、公開されているものの中には「大阪の暑さもギリギリでせう。東京もギリギリです。この暑さの中に仕事があるのでせうから、大いにやりませう」とか「同封近作おなぐさみまで壁など貼りくだされば幸い」、さらに「弟さまにも四六四九」など棟方の人柄や2人の親密な間柄をうかがうことができます。
これらの手紙は、津山市東一宮にある棟方と柳井さんを顕彰するM&Y記念館で公開されています。
松田信也館長は「柳井さんの家族との親交がよくわかる内容で、志功さんが柳井さんをだいじにかわいがっていたことが書かれています」などと話しています。