財源不足・地方から反発 子ども手当満額支給に暗雲 (1/2ページ)

2010.3.10 05:00

 鳩山政権の最大の目玉政策である子ども手当の先行きに、暗雲が漂ってきた。民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で2011年度からの満額支給を掲げたが、約5兆円もの巨額財源を捻出(ねんしゅつ)するめどが立たない。地方の反発や経済効果を疑問視する声に加え、閣僚の発言も「ぶれ」が目立っている。

 ◆公約を格下げ?

 「最大限努力する」。8日の参院予算委員会で満額支給の実現性を問われた菅直人副総理・財務相の答弁は、公約を「努力目標」に格下げしたかのような言い回しにトーン・ダウンした。鳩山由紀夫首相も先月、「子ども手当のために借金を残すことはしたくない」と発言し、「公約修正」と受け取られると、「予定通りに満額支給する」と火消しに回った。

 子ども手当の方向性が定まらない理由は、財源不足だ。11年度に月2万6000円を満額支給する場合は、5兆円もの巨費が必要だ。ところが、政府は半額支給(月1万3000円)の10年度予算案ですら、財源の2兆3000億円の捻出に四苦八苦した。最終的には廃止が決まっていた現行の児童手当の仕組みを残し、企業と自治体に計7500億円の負担を仰いだ。だが、火種はここにもある。

 「子ども手当は子供の未来を破壊する天下の愚策だ」。9日の衆院厚生労働委員会に参考人として招かれた三重県松阪市の山中光茂市長は、こう言い放った。

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