芸能界また！「ＪＡＹＷＡＬＫ」中村耕一容疑者、覚せい剤所持

逮捕された中村耕一容疑者（大阪での２００９年１０月の新曲取材会の時）

　人気バンド「ＪＡＹＷＡＬＫ」のボーカル中村耕一容疑者（５９）が９日、覚せい剤取締法違反（所持）の疑いで警視庁麻布署に現行犯逮捕された。９日午前２時２０分ごろ、東京都港区西麻布で、停車中の車内で微量（０・９グラム）の覚せい剤を所持した疑い。同署によると中村容疑者は容疑を認めている。自宅からは大麻、コカインとみられる薬物などが押収された。ＪＡＹＷＡＬＫは９１年発売の「何も言えなくて…夏」がミリオンセラーとなり、９３年のＮＨＫ紅白歌合戦にも出場。薬物事件に揺れる芸能界に、さらなる波紋を与えた。

　９日午後、都内で会見に応じた所属事務所「フリーウェイ」の知久悟司代表取締役社長（６３）によると、中村容疑者は逮捕前日の８日、午後１１時半ごろまでスタジオでほかのメンバーとレコーディングをしていた。知久社長は９日早朝の連絡を受け「正直、信じられない。ファンの皆様に申し訳ない」と謝罪した。

　３０年の付き合いという知久社長は「兆候はなかったが、繊細で弱い一面があるのは感じていました」と明かした。中村容疑者は最近１、２年は遅刻が多くなっていたという。知久社長は「病気じゃないかと心配しました。寝坊や、病気がちな親族を病院に連れていったという理由でした。恥ずかしそうに４、５時間も遅刻することがありました」と語り、メンバーらが心配することもあったという。中村容疑者は約１５年前に妻と死別し現在は一人暮らし。０７年には銃刀法違反容疑で書類送検されている。

謝罪会見を行った吉田敬ワーナーミュージック・ジャパン社長兼ＣＥＯ（左）と所属事務所の知久悟司社長

　最近の芸能界の薬物事件を受け、知久社長が「（覚せい剤を）やっていないだろうな」と２度聞くと、中村容疑者は笑って「冗談じゃないですよ」と返していたという。酒を飲まず繁華街が嫌いで、覚せい剤を入手できそうな場所に出入りすることもなかったという。

　「ＪＡＹＷＡＬＫ」のほかの５人のメンバーは、９日午前９時にプロモーションビデオの撮影で集まったが「１日でこんなことに…」と放心状態だという。バンドは今年が結成３０周年だが、今後は無期限活動停止となる。知久社長は「何年後かわからないが、皆さんが許してくれる状態がくるなら、もう一度やりたい」と語った。

　麻布署によると、中村容疑者は９日午前２時２０分ごろ、港区西麻布の路上に止めた乗用車内で、微量の覚せい剤を所持。

　捜査関係者によると、中村容疑者は当初「歯医者からもらった薬だ」と話したが、その後容疑を認めたという。交差点近くに止めた車の中にいた中村容疑者を不審に思った自動車警ら隊員が職務質問。約２時間拒否していたが、助手席のフロアマットの下に小物入れがあり、中から覚せい剤が入った袋２つを発見した。

　麻布署は９日、東京都練馬区の中村容疑者の自宅などを家宅捜索。テレビ朝日によると、自宅から大麻、コカインとみられる薬物と吸引具とみられるパイプが押収されたという。中村容疑者の身柄は９日午前１０時３０分に湾岸署へ移送された。警視庁では入手ルートなどを調べている。

　◆ＪＡＹＷＡＬＫ（ジェイウォーク）　中村耕一（ボーカル）、知久光康（リーダー・ギター）、杉田裕（キーボード）、中内助六（ベース）、田切純一（ドラム）、浅川昌輝（ギター）からなる６人組ロックバンド。１９８０年に結成し８１年デビュー。９１年発売の「何も言えなくて…夏」が１００万枚を超える大ヒットで、９３年に同曲でＮＨＫ紅白歌合戦初出場。３０周年の今年は２月に記念シングル「空と雲のように」を発売。所属事務所の知久悟司社長はメンバー知久光康の実兄。９５年に「Ｊ―ＷＡＬＫ」から現在の表記に改名した。