「豪快塩まき」北桜が引退…限界感じて決断

引退会見を行った元幕内の北桜（右は北の湖親方）

　豪快な塩まきパフォーマンスで人気を集めた元幕内で東幕下２７枚目の北桜（３８）＝北の湖＝が９日、大阪市内で現役引退を発表した。今後は年寄「小野川」を襲名し、北の湖部屋付の親方として後進を指導する。

　電撃的な引退だった。先場所、幕下で負け越したが現役続行を決意。大阪に入ってからも出場を目指し、けいこを続けていた。しかし、けいこで思うような動きができず、同時に大腸が炎症を起こして発熱する持病の憩室炎が悪化。体力の限界を感じ、数日前に師匠の北の湖親方に引退の意思を伝え、了承された。

大量の塩まきがトレードマークだった元幕内の北桜

　２３年間の土俵人生は常にファンサービスを忘れず誠実な土俵態度を貫いた。一番の思い出も「入門したときに師匠から掃除のやり方を教わったこと。私生活がきちんとしていない者は土俵を務められないと言われました」と話すなど、実直な人柄を表していた。観客を沸かせたあの派手な塩まきはもう見られないが「ファンの方には本当に感謝しています。これからは一生懸命を貫く力士を育てていきます」と親方としての恩返しを誓っていた。

　◆北桜　英敏（きたざくら・ひでとし）本名・向（むこう）英俊。１９７１年１２月１５日、広島市生まれ。３８歳。８７年春初土俵。９８年名古屋に十両昇進。０１年名古屋で新入幕。昨年、名古屋で３７歳６か月という史上２位の高齢記録で再十両を果たした。元幕内で十両の豊桜は実弟で、史上７組目の兄弟幕内にもなった。家族は妻と１女。１９０センチ、１６４キロ。初土俵からの成績は７１３勝７１１敗。得意は右四つ、寄り。