沖縄県の仲井真弘多知事が10日、首相官邸で平野博文官房長官と会談し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設案として閣内で検討されている米軍キャンプ・シュワブ(同県名護市など)陸上案について、「とても理解が不能だ」と述べ、反対する考えを伝えた。平野氏は直接答えず「3月中に基本的な考え方をまとめていきたい」と述べたという。仲井真氏が会談後、記者団に明らかにした。
会談は仲井真氏が「沖縄県民の県外移設への期待は非常に強い。そこら辺をきちんと斟酌(しんしゃく)してほしい。ちゃんと検討して頂いているのか」と尋ねたところ、平野氏は「むろん、県外も検討している」と応じたという。
仲井真氏は沖縄の頭越しに日米間で移設先の交渉が進むことを警戒し、「地元で利害が絡むものは、前もって相談をかけてもらいたい」とも求めた。平野氏は「むろん、そういうことは考えている」と述べたという。
仲井真氏は、シュワブ陸上案に反対する理由についても説明。「陸に上がっていけば人が住んでいる。(滑走路建設で)森林、緑をまた削ってなくすのか。危険とかいろいろな面から考えて海側に出すんであって、人が住んでいる陸側に出すのはベクトルが全く逆だ」と述べた。