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横浜・居酒屋3人死傷事故:容疑者を起訴 危険運転致死傷罪見送り /神奈川

 横浜市緑区で1月、居酒屋に軽乗用車が突っ込み男性客3人が死傷した事故で、横浜地検は19日、同県大和市つきみ野2、保険代理店経営、小坂泰男容疑者(44)を自動車運転過失致死傷と道交法違反(酒気帯び運転)の罪で横浜地裁に起訴した。地検は危険運転致死傷罪も視野に捜査したが、同罪に当たる「アルコールの影響で正常な運転が困難な状態」ではなかったとして、適用を見送った。

 起訴状などによると、29日午後5時45分ごろ、横浜市緑区の駐車場で、ブレーキとアクセルを踏み違え約50メートル暴走。道路を隔てた同区鴨居5の居酒屋「梧(あおぎり)」に突っ込み、店内にいた同区白山1の会社員、野表(のおもて)茂男さん(55)を死なせ、一緒にいた男性2人に重傷を負わせたとされる。

 地検によると、小坂被告は事故当日、昼ごろまで知人宅で飲酒したが、事故までは歩行者や他の車をよけ、的確な運転をしていた。事故直後に呼気1リットル中0・7ミリグラムのアルコールが検出されたのは、アルコール依存症の影響で体内に酒が残りやすいためで、一般的には0・15ミリグラム程度になるという。事故を起こした知人の軽自動車は小坂被告の車よりも小型で、アクセルとブレーキの間隔が狭かった。【杉埜水脈】

 ◇野表さん遺族、言葉少なく

 事故が起きたのは、給料日を迎えた野表さんら4人が席に着き、乾杯をした直後だった。当時、店の奥で調理をしていた我妻進店長(63)は「ドーンという激しい音がして、車が突っ込んでいた。もう少し遅い時間に来てくれていれば……」と悔やむ。

 野表さんらが勤める斉木製作所(横浜市都筑区)の斉木良彦社長(70)によると、野表さんは納品業務を担当、運転手として活躍していたという。「いつもニコニコして誰からも好かれていた。泣き崩れる奥さんと子供たちを見ていられなかった」と語る。

 19日の起訴を受け、野表さんの遺族は自宅のインターホン越しに「すみません。お話はちょっと……」と言葉少なだった。一時重体となった同市港北区新羽町の佐古篤さん(17)は退院したが、川崎市幸区幸町の菅井茂さん(57)は現在も入院中という。

 一方、小坂被告は、経営する会社のホームページ(現在は閉鎖)で「今でもクルマ好きですが、やはり保険を通じていろいろなお客様とコミュニケーションする事がすごく楽しいです」と自己紹介していた。【高橋直純】

毎日新聞 2010年2月20日 地方版

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