トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事
【大相撲】プロレス棚橋の親せきが角界入り 大阪場所前相撲でデビュー2010年3月10日 紙面から 大相撲春場所2日目となる15日に前相撲でデビューする棚橋弘貴(22)=朝日大4年、木瀬部屋、岐阜市出身=は、186センチ、189キロという巨漢。体格だけなら幕内でも上位に入る。それだけじゃなく、新日本プロレスのエース、棚橋弘至(33)が父方の遠縁にいる格闘家の家系。けいこ休みの9日、棚橋は「まだ会ったことはないですが、弘至さんは有名人。ぜひお会いしたい」と語り、角界にも“棚橋あり”をアピールしていく。 新弟子のけいこは早い。棚橋は先月29日に大阪入りしてから、ずっと午前5時に起床。けいこ休みのこの日、やっとゆっくりできたという。「朝起きるのが大変です。外はまだ暗い。大学では昼の11時ごろ起きるのが普通でしたから」。大阪入りのとき、大学の3年先輩の徳真鵬(十両)が名古屋まで迎えに来てくれ、大相撲独特のしきたりを教えてもらった。「大学時代の生活態度や考えでは大相撲ではやっていけない。自分もきつかったよ」とアドバイスしてくれた。 棚橋は小学1年から中学3年まで岐阜市にある相撲クラブ「木曜クラブ」に所属。市岐阜商では団体戦で3年連続で全国大会に出場。2、3年では個人戦にも出場。朝日大では1年で西日本団体2位に入り、この時は大将を務めたが、2年で退部。「環境にとけ込めなかった」というのが理由。転機は、昨年の名古屋場所だった。徳真鵬が十両昇進し、その祝いのパーティーに出席、その晴れがましい姿を見た。「自分も大相撲に挑戦してみたい」と決心し、母校・市岐阜商のけいこ場に足を運んだ。 あこがれはやはり徳真鵬。「入門のきっかけをつくってくれた。2年で退部したときも心底心配し、声を掛けてくれた。頭が上がらないです」という。「今後はプロに全身全霊を傾けます」。得意の押し相撲のように、人生も真っすぐ前に出て行く。 (近藤昭和)
|