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鶴岡八幡宮の大イチョウ倒れる 「実朝暗殺の舞台」

2010年3月10日11時29分

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写真:根元から倒れた大イチョウと、おはらいをするために大石段を下りる神職=10日午前8時2分、神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目の鶴岡八幡宮、山元一郎撮影根元から倒れた大イチョウと、おはらいをするために大石段を下りる神職=10日午前8時2分、神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目の鶴岡八幡宮、山元一郎撮影

写真:倒れた大イチョウの根元の直径を測る消防職員=10日午前7時49分、神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目の鶴岡八幡宮、山元一郎撮影倒れた大イチョウの根元の直径を測る消防職員=10日午前7時49分、神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目の鶴岡八幡宮、山元一郎撮影

 鶴岡八幡宮(吉田茂穂宮司)のご神木とされる大イチョウは10日午前4時40分ごろ、根元から倒れているのが見つかった。けが人などはなかった。9日から雪交じりの強風が吹いた影響とみられている。

 大イチョウは1219年、鎌倉幕府の3代目将軍源実朝が八幡宮の参拝を終えたところ、この木に隠れていた公暁(くぎょう)が暗殺したとされる伝説から「隠れ銀杏(いちょう)」とも呼ばれる。1955年に県の天然記念物に指定されている。

 鶴岡八幡宮によると、同4時15分ごろから、詰め所で警備員が5分おきぐらいに「ドンドン」という音を聞いていた。同40分ごろに、雷が落ちるような大きな音がしたため外に出たところ、大石段のそばにある大イチョウが根元から南側に倒れていたという。鎌倉市消防本部によると、当時は雨もあがっていたが、平均7〜8メートルの北風が吹いていた。

 大イチョウは根元の部分が空洞のようになっていた。八幡宮によると、これまでは台風で枝折れした部分を取り除いたことなどがあるだけで、特に大きな被害を受けたことはなかったという。今年は2月に雨が多くて地盤が緩み、9日からの雪交じりの風が加わったことなどが原因とみている。神職の一人は「関東大震災にも耐えたのに……」と絶句していた。

 現場には神職や氏子らが次々に訪れた。日本酒が供えられ、神職がおはらいや感謝をささげる神事をした。現場には県教育委員会や鎌倉市の文化財関係職員らも駆けつけた。大学の樹木の専門家にも連絡し、植え直しも含めて今後の対応を検討する。

 同市観光課によると、2008年の鎌倉市への観光客は約1935万人で、そのうち鶴岡八幡宮は約950万人を占めて施設別ではトップになっている。この日朝に訪れた同県茅ケ崎市の主婦倉本須美子さん(67)は「40年前に広島から嫁いで、節目には木の前で両親らと記念写真を撮ってきた。木は人生と重なるが、倒れてしまったのはさみしい」と話した。

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