3月10日 TBSの『3月10日東京大空襲 語られなかった33枚の真実』を観た。 東京の下町を焼き尽くして10万人もの死者を出した東京大空襲。 ドラマとドキュメンタリーを組み合わせた番組で ドラマの主役は 地上から被害の模様を撮影していた石川光陽さんという警察官だった。 私が『東京大空襲』について、知ったのはここ数年の事だ。 もちろん子供の頃からドラマなどで目にする事はあったけど ドラマの場合、焼けた家屋の間を防空頭巾をかぶった主人公達が逃げ惑ったのちに 最終的には 「やれやれ、ふぅ〜 って感じで助かるし、死体とかも出てこないし どっちらかと言えば、単なる大火事程度の印象しかなかった。 それが10万人以上もの死者を出した大殺戮だったなんて本当に知らなかった。 広島の原爆の死者数が14万人ぐらいだと推定されているらしいので その数と近いものがあると思う。 でも子供の頃から、原爆はドラマ、映画、小説、漫画、ドキュメンタリーとかで 目に触れる機会がとても多かったのに比べて『東京大空襲』はほとんどなかった。 なんで?なんで、今まで取り上げられてこなかったんだろう? 前に何回か隅田川にかかっている言問橋(ことといばし)を車で通った事があった。 隅田川でたくさんの人が死んでる事はなんとなく知っていたから 「空襲の時に、ここでたくさんの人が川に入って亡くなったんだって」 と、運転するチャビに言ったら 「ああ〜だから、俺、ここいら辺てなんか好きじゃないのかなぁ。 ここらの風景ってすごく嫌な感じがするんだ と、なんとなく納得していた。 (私達にとっては)車の往来は多いけど、閑散として、とても寂しい雰囲気に思える場所だ。 言問橋を通るたびに私は、たくさんの死者の姿を思い浮かべようとしたけど 想像力がないから、イマイチその様子を思い起こす事は出来なかった。 でも死者に対して 「どうか安らかにお眠り下さい」 という気持ちだけは捧げながら橋を渡ったものだ。 昨日のテレビではその言問橋に筑紫哲也さんがたたずみ 欄干に残る黒ずみを説明していた。 それは焼かれた人々の脂なんだそう。 今まで何回も通っていたけど、全く気が付かなかった。 言問橋はナパーム弾が炸裂して数千人の死者が出たため 『昭和の地獄橋』とも呼ばれているらしい。 橋の上が人でいっぱいになり、身動きがとれなくなった時 業火に襲われ黒こげになったそうだ。 目撃者によると、その時、橋の上に立っていた人々は炎に包まれながら 悲鳴とも言えないような、まるで獣のような声をあげたそうだ。 私が子供の頃、近所に駄菓子屋を営んでいたお年寄り夫婦がいた。 そこのおばあちゃんは、東京に住んでいた時に空襲にあった。 おばあちゃんは、燃え盛る炎の熱さから逃れるために隅田川に飛び込んだけど 川はすでに火傷した人、人、人、でいっぱいだった ・・・と、うちの母親に話していた。 その話を母親から又聞きした子供の私は 「カキザワのおばあちゃん、助かって良かったなぁ」って思った。 でも、話だけだと、どんなに悲惨だったのか・・・という事に 想像力が追いつかないのが現実だ。 やはり写真の力にはかなわない。 写真や映像が、あると無いとでは感じ方が全く違うのだ。 石川光陽さんが残した写真に写し出された真実は 話で聞く何百倍もの衝撃を受ける。 今までNHKでやってたドキュメンタリーで、見た事ある写真なんだけど、 子供を背負っていたために、背中だけは白くて、全身が真っ黒に焼け爛れた母親と そばに転がる まるで炭になった人形のような子供の写真は 死者の叫びが聞こえてくるような気がする。 地獄のような光景を見た人達の描いた絵も紹介された。 折り重なる遺体の山。 今ではごく普通のありふれた街並みになっている場所で 63年前に遺体が大量に積み重なっていたのかと思うと とても悔しくて、悲しくて、胸が痛くなる。 アメリカはなんでこんなに民間の人々を焼き尽くしたんだろう? 番組ではそこら辺は詳しく言ってなかったけど、 石油会社が新しく作ったナパーム弾を大量に消費して 儲けるためもあったんじゃないか・・・と言うような事を指摘していた。 下町を殲滅するよう指示を出したカーチス・ルメイ将軍が憎たらしい。 顔写真を見ても小憎たらしい悪党面をしている。 今でもB29の搭乗員達が同窓会で集まって B29の前で「イエ〜イ」みたいな感じで記念撮影してはしゃいでいるけど あまりにも能天気で無邪気な様子だ。 この人達、10万人以上も人を殺してんのに 自分達に誇りを持って自信いっぱいに生きてきたんだなぁ。。。 でも、番組の最後にスタッフから遺体だらけの写真を見せられて 少しテンションが下がっていた。 当たり前だけど。。。 「任務だったんだ・・・仕方ないよ」 「人が死んだとは思ってたけど・・・」 「こんな写真は初めて見た・・・」 母親のそばに転がる赤ちゃんを見て 「Oh・・・Baby」と、ショックを受けた様子。 80歳を過ぎて、もうすぐ自分自身もあの世に行くというのに、 自分がやった事の結果を見せつけられたら、そりゃ、冥土の土産としては、最悪だろう。 でもなんで、今まで自分達がアウシュビッツ顔負けの大殺戮を行ったっていう 自覚がなかったんだろう。 63年間も。 それが、不思議だ。 でも、死ぬ前にわかって良かったんじゃないかな? この前までは 「極悪非道の日本人を1人でも多く殺してやったぜ。俺は英雄だ」 と、自慢に思ってたんだろうからね。 それは私からしたら、間違った考え方だと思うので 少しは贖罪の気持ちを持ってからあの世に旅立ってもらいたい。 戦争を終わらせるためには必要な事だったんだ・・・っていうのがアメリカの論理だからね。 (攻撃なんかしなくてもほっとけばそのうち日本は降伏してた、という説もある) その論理は、戦後の教育ではしっかり浸透してたみたいで うちの70歳を過ぎてる両親なんかも 「アメリカが原爆落としてくれたから、戦争が終わったんだ」 と、思い込んでいる。(マジでそう言います) 終戦時、父は12歳。母は10歳。 戦争は大人が勝手にやってるもので、子供にとってはただ辛いだけの日々だったんだ。 早く戦争が終わって欲しい・・・って、子供達はずっと願っていただろう。 だから、アメリカがやって来てから急に自由の風が吹いて 今まで日本の大人たちが言っていた事が全部ウソだったとわかった時 子供達は『アメリカ様、様』という気持ちになっちゃったんだと思う。 そんな親に育てらてた私は子供の頃は 『外国』というのは、『アメリカ』の事だと思ってたし(アメリカが外国の代名詞だった) アメリカ人になりたい、と願ったもんだ。 さすがに今はそんな風には思わないし 子供の頃に比べるとそこまでアメリカが好きなけじゃない。 でもそれはアメリカだから・・・というよりは、戦争によって利益を得る人々の存在が嫌なんだ。 武器を売れば儲かる会社があるから、アメリカは無理やりにでも戦争を起こす必要がある ・・・と言われている。 (まぁ〜それが軍事国家というものだ) 自分以外の人を殺して、豊かな生活を送る事が気持ちいいと考える人がいる。 それは、日本人の中にもいる。 権力を握って、ウハウハしたいヤツ、威張りたいヤツ、 そういう人間が嫌い。 大抵は男性なんだけど、ま、そういう男が好きな女もいる。 戦争が起こる原因は複雑な要因がからんでいて、一言で言う事は出来ないんだろうけど 戦争はやっぱり単なる人殺しだよ。 戦争があると人口増加が抑えられていいって言う説もあるけど むごさを考えると、『いい』部分なんて吹き飛んでしまう。 東京大空襲についての番組、今まで少な過ぎだと思う。 撮影をした石川さんだって平成元年までは、 ご健在だったのだから本人に取材出来たはずなのに。 番組が少ないのは体験者が忌まわしい記憶を語るのは、嫌だという気持ちと アメリカにおもねった結果なのかな。 この先、体験者がどんどん少なくなってしまう。 その前に、まだ間に合ううちに戦争体験を語ってもらいたい。 もっともっとテレビで取り上げて、たくさんの人に 昔、悲惨な出来事があったという事を知ってもらいたい と、思う。 |
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内 容 | ニックネーム/日時 |
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その番組見たかったけど仕事で見られなかったんだよね… |
ゆき☆ 2008/03/11 22:19 |
■ゆき☆ちゃん |
ルナ☆ 2008/03/11 23:07 |
原爆を落とした事をいい事だと信じてる人達って |
ルナ☆ 2008/03/11 23:12 |
ずっと考えてると最終的には、どんなに悔しく思っても |
ルナ☆ 2008/03/11 23:13 |
ええっっ!!そうかなの?若い子ってアメリカと戦争していたことを知らないかもしれないの??? |
ゆき☆ 2008/03/11 23:30 |
■ゆき☆ちゃん |
ルナ☆ 2008/03/12 00:02 |
悪人なのは本当に一部の人達なんだけどね。 |
ルナ☆ 2008/03/12 00:11 |
なんか大陸の人達は未だに日本人を恨みに思ってるし。 |
ルナ☆ 2008/03/12 00:12 |
そうだね、恨みを持っているとなかなか優しくはなれないだろうね。 |
ゆき☆ 2008/03/12 00:26 |
■ゆき☆ちゃん |
ルナ☆ 2008/03/12 00:42 |
悪人だけの国!! |
ゆき☆ 2008/03/12 00:51 |
■ゆき☆ちゃん |
ルナ☆ 2008/03/12 00:56 |
こんばんは! |
あき 2008/03/13 20:19 |
■あきささん |
ルナ☆ 2008/03/13 23:08 |
こんばんは |
ポロン 2008/03/14 23:58 |
■ポロンさん |
ルナ☆ 2008/03/15 12:45 |
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