2009年08月04日

"Catastrophic shortfalls threaten economic recovery"

朝日新聞の2008年8月3日付の記事「「世界の大油田、生産ピーク過ぎた」IEA研究者が警告」の元記事である、The Independentの記事の前半をとりあえず和訳:
[The Independent (2009/08/03)]

Warning: Oil supplies are running out fast
警告:石油供給は予想より速く尽きていく

Catastrophic shortfalls threaten economic recovery, says world's top energy economist
石油の破滅的不足は景気回復を脅かすと、世界最高のエネルギーエコノミストと言う

By Steve Connor, Science Editor


世界の主要な油田は生産のピークを越えたので、世界的な景気回復を麻痺させる破滅的なエネルギー危機に世界は向かっていると、指導的なエネルギーエコノミストが警告した。

OECD諸国から将来のエネルギー供給をアセスメントする仕事を委ねられている、パリにある国際エネルギー機関(IEA)のチーフエコノミストであるDr. Fatih Birolは「需要の増大と供給の停滞もしくは減少による石油価格の高騰は、いかなる景気回復にも打撃となる」と述べた。


The Independentとのインタビューで、Dr. Birolは「現代文明が依存している石油が、これまでの予測より速く尽きていき、大半の政府が予測するよりも少なくとも10年早く、世界の石油供給は約10年でピークを迎えるという事実に、人々および各国政府は気づいていない。

世界の油田の3/4にあたる800の油田についての、初めての詳細なアセスメントにより、最大規模の油田の大半が既に生産のピークを越えていて、石油生産の減少率は、2年前の予測の2倍になっていることがわかった。さらに、産油国の慢性的な過少投資の問題があり、これは5年以内に石油危機をもたらしかねない。そうなれば、現在の世界的な景気後退からの回復の希望が危うくなる。」と述べた。


英国および西側大国への厳しい警告のなかで、Dr. Birolは、「相当な石油資源を持つ、主として中東に存在する、数少ない産油国たちは、2010年以降の石油危機の始まりによって、市場支配力を強めるだろう。

ある日、石油が底を尽く。それは今日や明日ではないが、いずれ石油は底を尽く。我々は石油がなくなる前に、石油依存を脱却し、その日に備えなければならない。我々のあらゆる経済・社会システムは石油を基礎としており、石油依存からの脱却には多くの時間と資金が必要となる。したがって、準備は早く始めるほどいい。そして、我々はこのことを深刻に受け止めなければならない。

主として中東にある、極少数の産油国の市場支配力は、急速に増大する。彼らは既に石油市場の40%のシェアを持つ。そして、そのシェアは今後ずっと増大し続ける。」と述べた。


既存の油田における急速な生産減少を補う、新たな石油供給対策が十分に為されていないので、需要が上向く来年以降には、石油供給の危機のリスクが実際にある。

IEAは2007年に既存油田の生産減少を年率3.7%と推定していたが、それは誤りであることを認めた。IEAは生産減少を年率6.7%と推定している。


「石油市場がタイトな状態になれば、石油価格は、現在よりも、はるかに高くなるだろう。特に今後数年、石油市場がタイトな状況になれば、これは経済に明確に影響を及ぼす。

世界経済はまだ脆弱であるため、これは特に重要である。多くの人々は数年で景気回復すると思っているが、その回復は緩やかで、脆弱なものである。景気回復が高騰する石油価格によって失速するリスクがある。」と、Dr. BirolはThe Independentに語った。


世界の主要油田についての初めてのアセスメントで、IEAは「世界のエネルギーシステムが岐路に立っており、予測される需要が供給を上回っていて、石油消費がサステナブルではない」と結論した。

非OPEC諸国の石油生産は既にピークに達しており、安い石油の時代は終わったと、IEAは警告した。大半の油田では、石油生産は現在がピークであり、これは既存の需要をまかなうために、新たな供給源を見つけつる必要があることを意味する。


「たとえ、需要が現在のままだとしても、生産量を維持するためにサウジアラビア4個分の油田を見つけなければならない。2030年まで予測される需要増大をまかなうには、サウジアラビア6個分が必要だ。

これは、地質学的にも、投資的にも、地政学的にも大きな問題だ。これは大きなリスクであり、主として油田の生産減少によるリスクである。

現在、多くの国の制服は、少なくとも安くて簡単に手に入る石油の時代が終わりつつあることに気付き始めている。しかし、石油供給について我々が直面している困難について、各国政府がわかっているか疑問だ」とDr. Birolは述べた。

...
The Independentの記事後半は、補足・解説である。
posted by Kumicit at 08/04 08:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others
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