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外国人労働者規制を強化 タイとシンガポール (1/2ページ)
【シンガポール=宮野弘之】建設現場や工場で安い外国からの労働力に頼ってきたタイとシンガポールが、相次いで外国人労働者の規制強化に乗り出した。タイでは外国人労働者による犯罪の増加が、シンガポールでは自国民の雇用に対する不安が背景にある。
企業から申請があればラオス、カンボジア、ミャンマー人に、パスポートがなくても特別労働許可証を発行してきたタイは1月、こうした許可証を持つ労働者130万人に当局への登録とパスポート取得を義務づけ、従わなければ強制送還することを決定した。昨年からタイ政府は3国との国境管理を強化しており、その一環とみられる。
タイ労働省当局者がAFP通信に明らかにしたところでは、許可証を持つ130万人のうち85万人が4日までに手続きを始めた。ただ、パスポートはもちろん許可証さえ持たない不法滞在者は約120万人に上るとされる。多くはミャンマーからの出稼ぎで、彼らは外国で働いているのを軍政に把握されるのを嫌がり、パスポート取得が難しいという。こうした措置に対して、タイの産業界には「労賃上昇で競争力の低下につながりかねない」など不満の声が強い。