現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 政治
  4. 国政
  5. 記事

密約追及38年 西山さん「全容、今も闇の中」(3/3ページ)

2010年3月10日1時22分

印刷印刷用画面を開く

このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:「外務省が資料を出したのは革命的だが、これで終わりじゃない」。西山太吉さんの追及は続く=北九州市、藤脇正真撮影「外務省が資料を出したのは革命的だが、これで終わりじゃない」。西山太吉さんの追及は続く=北九州市、藤脇正真撮影

写真:1968年に作成された「東郷メモ」。核持ち込みについて、歴代首相や外相に説明した記録が書き込まれている=鬼室黎撮影1968年に作成された「東郷メモ」。核持ち込みについて、歴代首相や外相に説明した記録が書き込まれている=鬼室黎撮影

表:  拡大  

 今年2月、東京地裁での最後の弁論で、西山さんら原告団はこう主張した。

 《国民自身が政府の政策を検証・評価し、歴史のゆがみの原因を発見することによって、過去の誤った政策を正道に戻す政治の民主的復元力を担保する》

 判決は1カ月後。「晩年の戦い」の幕は下りていない。(古田大輔)

    ◇

 〈外務省機密漏洩(ろうえい)事件〉 沖縄が日本に復帰する直前、毎日新聞記者だった西山さんは外務省の女性事務官を通じ、沖縄の土地の原状回復補償費400万ドルを日本が肩代わりする密約を示唆する機密電文を入手した。国会でも取り上げられたが、外務省は密約を否定。西山さんは国家公務員法違反で逮捕され、78年に最高裁で有罪が確定した。

 ところが、00年には米国立公文書館が、吉野文六・外務省アメリカ局長(当時)とスナイダー駐日米公使(同)のイニシャルが入った公文書「議論の要約」を開示した。密約の内容が記されていたが、外務省は認めなかった。

 西山さんらは昨年3月、東京地裁で国を相手に情報公開訴訟を起こした。裁判は今年2月16日に結審し、判決は4月9日に言い渡される。

前ページ

  1. 1
  2. 2
  3. 3

次ページ

PR情報
検索フォーム
キーワード:


    朝日新聞購読のご案内